社外取締役鼎談

真田 幸光
取締役監査等委員(社外)
満岡 隆一
取締役監査等委員(社外)
小林 彩子
取締役監査等委員(社外)
2025年度における経営諮問委員会での議論の様子や、新たに策定されたサクセッションプランについてお聞かせください。
小林 取締役や執行役員の指名・報酬については、社外役員である私たちに対して、頭取や副頭取が、その妥当性について根拠を説明しなければなりませんので、透明性の高いプロセスのもと深度ある議論ができており、取締役会における決議に繋がっていると思っています。また、執行役員あるいは取締役候補者について議論する際には毎回、「女性役員の育成状況は今どうなっていますか」という問いかけをしていまして、女性役員の育成に関する議論等についても経営諮問委員会の役割の一つだと感じています。
真田 女性役員の育成は時間がかかるものです。当行は、しっかりと時間をかけてやってはいるのですけれども、今まさに、それを早く進めるための施策についても議論しています。また、投資家の皆さんに対しても、そういった点をご理解いただけるような説明が必要だと思います。
満岡 サクセッションプランについては、可能性やポテンシャルがある人がいれば、早期に人材プールに入れて教育をしていくことの必要性についても議論しています。今年度の新しい取締役の方々を見ても、従来よりも若い年齢の方が登用されており、非常にいい傾向にあると感じています。育成の内容についても、OJT等で社内の様々なことを経験してスキルを高めていくのもいいのですが、今後は銀行とは異なる企業で経営職になる方々との交流会やセミナーなども積極的に活用していく、またそれを実現するために人材への投資枠を予算化する計画が具体化されてきていますので、いい傾向にあると思います。
小林 サクセッションプランは、スキルマトリックス、あるいは当行の経営人材として求められる要件は何かということを議論してきましたが、それが若手行員の皆さんにどう映るか、皆さんのやる気や希望を引き出せるような、そういうスキルマトリックスや要件になっているかという観点も重視して検討してきたところです。
真田 当行のトップ、経営層人材になるためには何が一番重要か。それは、理念だと思っています。「地域共存」「顧客尊重」の理念を自分のなかに落とし込めているかどうかということです。そのような考え方を持つ人、理念を体現する人がトップに立たないとうまくいかないと思いますので、それは非常に重要視しています。
社外取締役の研鑽機会や監督機能の向上への効果についてお聞かせください。
満岡 定期的にエグゼクティブミーティングという形で、外部から専門の講師の方をお招きして、最近ですとAIや量子コンピュータなどの様々なテーマを選定して勉強会を実施しています。銀行に特化した内容だけではなく、幅広い観点での研鑽機会が提供されていると思います。
小林 そのテーマが今後の地方銀行の業務にどう影響するか、あるいは当行にどう影響するかというところを講師の方に説明いただいた後に、社内役員の方を含めて、講師との質疑応答という形で話し合いができる機会がとても良いと思っています。その時間を通じて、社内の経営層の皆さんがどういうところに課題を感じているかということが、こちら側から分かるので、トレーニングというだけでない、経営層の方々の課題を認識するチャンスにもなっていると思います。
真田 行員の方々と一緒に、取引先への訪問に同行しています。現場でどういうことが起こっているのか、行員の方々が何を考えているかということを、実際に知ることができる貴重な機会となっています。
監査等委員会設置会社への移行について、取締役会の機能の強化の面でどのような効果が期待されているかお聞かせください。
満岡 従来から、株主やステークホルダーに対して重大な影響を与えないような判断については経営会議の方に委任したほうがよいのではないかというようなことを申し上げてきていたので、監査等委員会設置会社への移行については好意的に受け止めています。
小林 取締役会では、より重要なテーマについて議論するということになりますので、今後は長期ビジョンや中期経営計画の策定・進捗というものを取締役会で活発に議論していきたいというところと、経営会議に委任した業務執行についての監督というところについては、我々は従前から経営会議にもオブザーバーという形で自由に陪席させていただいているのですが、その体制がより整ったという印象です。
新中期経営計画「MCP 2/3」のなかで重要と思われる取組みについてお聞かせください。
真田 まさに経営理念に基づいて、本業での利益を上げていくこと、それを達成するための指標をどうするか、というところが非常に重要だと考えています。
小林 私も、その理念に基づくというところに近いと思うのですけれど、「価値共創コンサルティング」が当行の強みでもあり、更なる深化を期待しているところです。就任当初から、当行はお客さまに寄り添うという意識がすごく高い銀行だなということを感じていて、株主総会でも株主さまからエールの言葉があったりですとか、お客さまや地域の株主の方々と距離が近いのが特徴だと思います。前中期経営計画では、お客さま視点で営業部門の組織再編などの基盤づくりをして、今回は、地域やお客さまのためにどう一緒に価値を作り上げていくか、これは当行の強みを活かせるところですし、目標を大きく上回る成果も出していけるのではないかと思っています。それから、私は女性管理職向けの研修に参加して、皆さんのプレゼンテーションを聞く機会があるのですが、優秀で積極的な女性行員の方が多いので、経営幹部を含めた女性活躍推進の取組みにも期待しています。
監査体制の強化や内部通報の制度等の実効性向上については、どのように評価されていますでしょうか。
真田 当行は銀行ですので、監査部が定期的にいろいろな側面で監査をしていますし、ハラスメントなどの問題が起きた場合に備えてホットラインの設置や公益通報制度も整備されています。また、外部からの苦情がどのような状況で発生したのかということもモニタリングされていまして、全て取締役会ほか内部監査報告会において報告されています。一方で、私は報告に上がってきたことが、現場の認識・実態と乖離していないかということについてのモニタリングも重要だと思っていますので、先ほどもお話しましたが、様々な機会に行員の皆さんとのコミュニケーションを深めながら、それを参考にして、ジャッジメントすることを徹底しています。
満岡 私もバックグラウンドがメーカーですので、発見した不適合事案に対して、どういう再発防止などの是正行為を行うかということに対しては積極的に助言を行っていますし、今後も行っていくつもりです。
最後に、株価水準やPBRなどの市場評価についてのお考えをお聞かせください。
真田 当行のように「地域共存」「顧客尊重」という経営理念を掲げ、長いスパンで地域の発展に貢献していくような取組み、例えば農業分野での実践的取組みを展開していることは、投資家視点でのビジネスジャッジメントとしてはなかなか理解しがたい場面もあるだろうと思います。ですので、中長期の目線で当行のことを理解してもらうために、説明を尽くすということは非常に重要だと考えます。さっきのお話にあったように、当行には本当に沢山の応援団のような株主さんがいらっしゃいますので、当行のビジョンに賛同いただける応援団の株主さんを更に増やしていくためにどうしていくべきか、ということを継続して考えることが大切だと感じています。
小林 まさにPBR などは着実に上がってはいると思うのですけれど、1倍まであと少しというところで、やはり大切なのは収益力を強化するような取組みだというのはもちろんだと思うのですけれども、真田さんもおっしゃったように、やはり投資家の皆さんにきちんと説明して理解していただくということが重要だと思います。投資家との対話の機会も増やしていると聞いていますが、やはり株式市場から十分に評価していただくためには、こちら側がきちんと説明する、それを着実に進める必要があるだろうと思っています。
満岡 ほとんど皆さんがおっしゃられた通りですけれども、「MCP 2/3」で掲げている「親会社株主に帰属する当期純利益300億円以上」をクリアできていけば、おのずとROEの目標指標の達成、PBRの更なる向上が実現できると思っていますので、まずは本業をしっかりというところを期待しています。2025年度は、株式分割や株主優待の導入、自己株式取得など株主の方々の理解を得ようという活動も並行してやっています。地域の方々に対しては当行がどういう取組みをしているかということを説明し易いと思うのですけれども、当行株式は海外も含めた埼玉県外の方々も購入いただいておりますので、今後ディスクロージャーをどのようにやっていくかについては更なる検討が必要と考えています。段々といい方向で出来ていると思いますので、継続してやっていくことが重要だと思っています。







満岡 経営諮問委員会での主な議題は取締役や執行役員の指名・報酬ということで、従来はそれを重点的に議論してきましたが、新たな議題としてサクセッションプランについて、当行がどういう形で若手の人材を育てていくのか、それから核になる経営層の人間をどういう形で選抜して育てていくのかということに関してより踏み込んだ議論も追加しました。またそれに合わせて、現行の役員や執行役員も含めた、必要スキルの再確認を行いました。経営諮問委員会で方向性と考え方を一致させて、最終的には取締役会で報告し、総意を得るという形で運用しています。また、2026年度に入ってからも毎月経営諮問委員会を開催し、4回に亘って詳細に及ぶ議論を行っており、かなり進んできているなという手応えを感じています。