社外取締役メッセージ

経営諮問委員会 委員長
社外取締役 満岡 隆一
2024年度の振り返り
2024年度は、中期経営計画「MCP 1/3」の2年目にあたり、同計画で掲げる「デジタル・人的資本への投資を通じたサステナブルな経営基盤構築」がしっかりと進展しているかどうか、そのための戦略遂行にあたって適切な経営判断がなされているかどうか注視、監督してきました。
人的資本経営
人的資本経営については、従業員の自律性や挑戦心をしっかりと引き出し、多彩な価値、すなわち幅広い視点でのダイバーシティを推し進めていることができているかが肝要と考えますが、2024年7月の人事制度改正はその基礎条件を整えたものと考えております。
かねてよりジェンダーダイバーシティ推進には女性のロールモデルを作ることが重要と申し上げてきましたが、当行出身の女性執行役員など、登用が前進していることは評価しております。
また、エンゲージメント向上や人材確保に向けたベースアップや初任給引上げについても、地域を代表する金融機関として「賃金と物価の好循環」創出に向け率先して取組んでおり、時宜を得たものと考えております。
育成・研修といった人的資本への投資は着実に増加していますが、人的資本が銀行の価値創造の源泉であることを踏まえると、絶えず目線を引き上げていくことが必要であると取締役会等で申し上げています。
デジタル分野の取組み
デジタル分野については、3年間の投資額が当初計画を上回る見通しとのことですが、テクノロジーの変化スピードを踏まえますと、更なる投資をより迅速に行っていく必要が出てくると考えております。
諸会議でサービスやシステムの更改が議案に上がってきますが、経営に与える影響や投資額などを慎重に見極めつつ、適切な権限移譲のもともっと迅速な対応を行うべきではないかと意見を述べさせていただいています。
企業価値向上に向けて
企業価値向上にあたりましては、ステークホルダーとのコミュニケーションが何より重要であり、それも一方通行の情報発信ではなく、ステークホルダーの方々にいかに分かりやすく伝えるか、継続的に工夫していく姿勢が、情報開示においてより意識されるべきであると考えます。
今回、IR体制の強化を実施しましたが、PBR向上に向け、当行の成長ストーリーを分かりやすく、納得感ある形でより多くの株主・投資家の方々に伝えていくことを期待しています。また、社外取締役もぜひ対話に参加していきたいと考えております。
取締役会では、資本運営や政策保有株式などに関する株主・投資家の声にしっかりと耳を傾け、議論を深めてまいります。
執行側との情報格差解消に向けて
重要議案について社外役員への事前説明会が実施されているほか、経営会議や部長会議への参加、重要な諸会議の議事録の回覧、さらにはこうした会議体以外でのコミュニケーションを重ねていることで、取締役会ではより深い審議ができていると評価しております。
社外役員が牽制機能・監督機能を発揮することで、より適切な経営判断へと結び付いているものと考えており、今後も他の企業の事例なども参考にしつつ、執行側との情報格差解消に取組んでまいります。
今後に向けて
現在、2026年4月から始まる次期中期経営計画の議論が進んでおりますが、経済および社会が急速な変化を続けるなか、今後の成長ストーリーをいかに描き遂行していくか、それをステークホルダーとどう相互理解していくのか等、様々な課題があり、取締役会ではこうした課題にしっかり向き合っていく重要な責務があります。
また、私が委員長を務めている経営諮問委員会では、成長ストーリーの具現化という視点で、より適切な指名・報酬について議論を深めておりますが、従業員のモチベーション向上に繋げていくための取組みや、サクセッションプランといったテーマについても積極的に議論していきたいです。
これからも「地域共存」「顧客尊重」という経営理念を掲げる当行の存在意義を踏まえながら、未来に向けた戦略について経営陣と建設的な議論を行っていく所存です。そしてこのことを通じ、お客さまと地域にとってなくてはならない銀行として、武蔵野銀行がステークホルダーの皆さまと手を携え共に成長していけるよう力を尽くしてまいります。