企業価値向上に向けた取組み

当行は、中期経営計画「MCP 2/3」(2026年4月~2030年3月)において、資本コストを上回るROEとPBR1倍以上の実現に向け、ROE向上に繋がる「基本戦略Ⅰ価値共創コンサルティングへの深化」、そして、PER向上と結びつく基本戦略Ⅱ 埼玉の新たな価値創出への貢献」及び「基本戦略Ⅲ 未来を支える経営基盤の強化」の3つの基本戦略と、資本政策の遂行を通じた企業価値の更なる向上を目指しています。

PBR向上に向けたロジックツリー

企業価値の現状認識と改善の方向性

2026年3月期のROEは5.62%となっておりますが、CAPM等による算定値と投資家へのヒアリングから、自行の資本コストを8~9%程度と認識しており、「MCP 2/3」最終年度となる2030年3月期までにこれを上回るROE10%以上とすることを目指しております。
ROE向上に向けては、「MCP 2/3」の基本戦略Ⅰに対応する預貸および課題解決ビジネスの強化・拡充を進めるとともに、コストコントロールに努めております。
あわせて、リスクアセットコントロールに取組むとともに、成長投資や株主還元の強化に取組んでいます。
PER向上に向けては、利益の期待成長率を高めるべく、「MCP 2/3」の各施策を着実に遂行していくことを前提とし、基本戦略Ⅱ・Ⅲに対応するサステナビリティ経営の高度化や経営基盤強化に努めております。また、株主資本コストの引下げに繋がる、情報の非対称性緩和にも取組んでおります。

ROEおよびPBRの推移

ROE(東証基準)

ROE(東証基準)

PBR(3月末株価による)

PBR(3月末株価による)

EPSおよびPERの推移

EPS

EPS

PER

EPR

収益力の強化

収益力強化に向けマザーマーケットである埼玉県の成長を取込み、中小企業向け貸出や住宅ローンなどのコアビジネスを強化するとともに、コンサルティングによるフィービジネスを拡充させていく方針としております。

RORA向上に向けた取組み

RORA(リスク・アセット利益率)については、継続的な向上が図られており、足元で0.86%となっております。
案件別・取引先別・店別・部門別、そして全行に至る、一気通貫した管理態勢を構築しており、中堅・中小企業向け貸出やストラクチャードファイナンスといった高RORAアセットの積み上げと、適正な採算管理を両立させていくことで、更なるRORA向上に繋げています。

RORAの推移(連結・FIRBベース)

RORAの推移(連結・FIRBベース)

事業ポートフォリオの収益力向上

事業ポートフォリオの収益力向上

資本運営に関する考え方

資本運営については、企業価値向上のための成長投資、健全性の維持、株主還元のそれぞれが拡充・強化される好循環創出を目指す方針としております。

企業価値向上のための成長投資・健全性の維持・株主還元の充実→好循環を創出

成長戦略を加速させるための投資

成長戦略を加速するための投資として、デジタルと人的資本に積極的に投資していく方針です。人的資本については、高度なソリューションやデジタルスキルの開発を促すため、研修の充実など、一人あたり人材投資額の拡大に努めております。
あわせて、人材の確保・維持、エンゲージメント向上に向けた、賃上げや初任給引上げも継続しております。
戦略投資につきましては、前中期経営計画期間対比で2.3倍に増強していく計画であり、AI活用などお客さま接点強化に向けたデジタル投資のほか、店舗の新築移転、業務改善・効率化など、スピード感を持って進めてまいります。

人的資本への投資

1人あたり人材投資額

1人あたり人材投資額推移
23年4月 24年4月 25年4月 26年4月
初任給
引上げ
初任給
21万円
22万円
(+1万円)
最大28.5万円
(+6.5万円)
最大31万円
(+2.5万円)

(25年、26年は住宅手当を含む)

25/3期 26/3期 27/3期
賃上げ 平均4.8% 平均5.5% 平均7.2%
25年10月 26年4月
シニア層
(定年再雇用者)
月給引上げ
2万円(一律) 約2万円(平均)

デジタルを中心とした戦略投資

投資額推移(計画)単位:億円

投資額推移(計画)
戦略投資
  • ・お客さま接点強化への投資(AI関連)
  • ・店舗の新築移転、業務改善・効率化など
更新投資
  • ・既存設備の維持更新(設備老朽化対応)
  • ・システムの更改、店舗の修繕など

キャピタルアロケーション

自己資本比率は、2024年3月期よりバーゼルⅢの最終適用を受けており、2026年3月期は13.41%となっています。
キャピタルアロケーションについては、リーマンショック級のリスク事象が発生した場合にも、地域へのリスクテイク余力を堅持できる水準として10.5%程度を設定し、適切にコントロールしていく方針です。
人的資本・デジタル等の成長投資、リスクテイク拡大に充てる部分を除いた、1%程度の資本余力については、株主還元・新たな分野へのインオーガニック投資を行っていく方針としております。

キャピタルアロケーションのイメージ

キャピタルアロケーションのイメージ

政策保有株式

中期経営計画「MCP2/3」の最終年度(2030年3月末)までに、政策保有株式の連結純資産に対する時価保有残高の割合を15%未満に縮減する方針です。
なお、2026年3月期の政策保有株式は前期比で簿価64億円(時価108億円)縮減いたしました。
今後も、保有先との関係性維持・発展による当行グループの企業価値向上や地域経済の発展が見込まれるものを除き、引続き、十分な対話を重ねながら縮減に取組んでまいります。

政策保有株式の推移

政策保有株式の推移

*みなし保有株式に該当する株式は保有しておりません。

株主還元

株主還元については、親会社株主に帰属する当期純利益の40%程度を目標配当性向としており、2026年3月期には、1株当たり170円(分割考慮後56.66円)の配当を実施しました。
2027年3月期の配当予想は、前年比45%増配の82円となり、6期連続の増配を計画しております。
今後も累進的配当を行っていくとともに、地域の成長に必要な資本水準や市場動向等を踏まえ、機動的な自己株式取得を実施していく方針としております。
なお、2026年3月より、総額100億円を上限とする自己株式取得を実施中であり、同年12月までに取得が完了する予定です。

1株当たり配当金(*)及び配当性向の推移

1株当たり配当金及び配当性向の推移

(* 比較のため、2026年3月期以前の配当金を分割考慮後の金額に換算)

情報の非対称性緩和の取組み

情報の非対称性緩和に向け、株主・投資家の皆さまとの対話を促進しております。
2025年度については、業績見通しや中期経営計画をテーマに対話を行い、多岐に亘るご意見・ご要望をいただきました。いただいたご意見等は、取締役会に定期的な報告がなされ、活発な議論を行っております。
今後につきましても、皆さまのご意見等を各種取組みに反映し、企業価値の一層の向上に繋げてまいります。

経営戦略への反映(2025年度の実績)

取締役会での定期報告と
それを踏まえた議論

反映を行った施策例

  • ・中期経営計画「MCP 2/3」における企業価値向上
  • ・資本政策(還元方針見直し、キャピタルアロケーションに基づく自己株式取得など)
  • ・政策保有株式の縮減加速
  • ・各種開示の拡充

株主・投資家との対話実績(2025年度)

決算説明会
(中間・通期)
合計120名参加
機関投資家との個別面談
・スモールミーティング
延べ48先
個人投資家向けIR 13回・850名