経営体制

コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方

当行の経営における普遍的な考え方としての経営理念を定め、企業活動を行う上での拠りどころとして位置付けております。
経営理念に掲げる考え方を実現するために、コーポレート・ガバナンスの強化及び充実を経営上の最重要課題の一つとし、最良のコーポレート・ガバナンスを追求いたします。

コーポレート・ガバナンス体制

当行では、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要な課題と認識し、法令、行内規程を遵守しつつ、取締役会及び監査役会において、取締役の職務の執行について厳正な監視を行っています。
また、一般株主と利益相反のおそれがない社外取締役3名と社外監査役3名を選任し、取締役の職務執行に係るモニタリング・監査に加え、取締役会への出席等を通じて、独立・中立の立場で幅広い視野から積極的に経営に関する意見表明・助言等を行うことで、経営監視機能の客観性・中立性を確保しています。あわせて、取締役の任期を1年とすることで、経営環境の変化に即応できる体制構築を図っています。
さらに、執行役員制度の導入により、取締役の員数をスリム化し、迅速な経営判断を可能としています。執行役員は取締役より権限委譲を受け、主要な部門の責任者として、迅速かつ効率的に業務執行を行うことを主な任務としています。

施策の実施状況

コーポレート・ガバナンス体制について

コーポレート・ガバナンス体制図

当行では、取締役会をコーポレート・ガバナンスの頂点として、さまざまな行内規程を厳格に運用しつつ、執行役員制度の導入により経営と業務執行の役割分担を明確化し、取締役と執行役員がそれぞれ責任をもって業務を行う体制としています。
当行の経営上の意思決定、執行および監督に係る経営管理体制は以下のとおりです。

ア.取締役会
社外取締役3名を含む取締役8名(2025年7月1日現在)で構成され、毎月1回を常例とし、必要に応じて随時・臨時に開催され、経営に関する重要な事項、方針および業務の執行を決定するほか、取締役が取締役会にコンプライアンス、リスク管理等の状況について定例的に報告しています。 13回開催(2025年3月期)
イ.経営会議
代表取締役のほか、取締役会で指名する取締役をもって構成され、原則として毎月2回ないし4回開催することを常例とし、必要に応じて臨時の会議が開催されます。経営会議は、取締役会の定める基本方針に基づいて、業務全般に係わる計画および実施方法に関する一切の重要事項を検討・審議しています。 52回開催(2025年3月期)
ウ.監査役・監査役会
当行は監査役制度を採用しており、監査役会は社外監査役3名を含む監査役5名(2025年7月1日現在)で構成され、原則月1回開催し、必要に応じて臨時に開催されます。監査役は、監査役会で策定された監査方針および監査計画に基づき、営業店、本部各部に対する業務運営の適切性を検証するため、定期的に監査を実施しています。また、取締役会、経営会議等の重要会議に出席して意見を述べることができるほか、代表取締役と定期的な会合をもち、監査上の課題等について意見交換を行っています。 13回開催(2025年3月期)
エ.経営諮問委員会
取締役会の諮問機関として取締役等の選解任・報酬に関する事項等について審議します。取締役会は本委員会の審議を踏まえ意思決定に反映しています。本委員会は委員長を含む社外取締役3名、社内取締役2名の5名構成となっています。 2回開催(2025年3月期)
オ.コンプライアンス委員会
委員長は取締役頭取、委員は取締役および本部各部の部長のほか常勤監査役等をもって構成しており、法令、行内規程の遵守はもとより、社会規範に則した誠実かつ公正で透明性の高い企業活動の実現に向け、経営の観点からコンプライアンス全般を評価します。 2回開催(2025年3月期)
カ.品質向上委員会
2023年7月の業務改善計画に基づき、改善・再発防止に向けた取組みを着実に遂行し、諸施策の進捗状況の共有と方向性を定めることを目的として、2023年8月に新設しました。委員長は取締役頭取、委員は取締役および本部各部の部長のほか常勤監査役等をもって構成しています。 12回開催(2025年3月期)
キ.弁護士・会計監査人等その他第三者の状況
当行の会計監査人は、EY新日本有限責任監査法人です。そのほか法律事務所、税理士法人と顧問契約を締結し、適宜助言を受ける体制としています。
ク.内部監査体制
内部監査の専門部署である監査部が営業店、本部各部、連結子会社に対し、業務運営の適切性を検証するため、定期的に内部監査を実施し、その結果を取締役会に報告しています。

コーポレート・ガバナンス体制の概要

取締役・監査役の選解任と指名方針

<取締役選任基準>
  • 取締役候補者(社外取締役以外の取締役をいう。以下同様。)は、当行の経営理念に対し、深い理解を持ち、その実現に向け、努力を惜しまない行動ができること。
  • 取締役候補者は、その職務の執行について十分な情報を収集するとともに、取締役会において積極的に意見を表明できること。
  • 取締役候補者は、取締役会に関する権利を適時かつ適切に行使し、当行の経営課題の解決を図ることができること。
  • 取締役候補者は、株主の信任に応えるべく、その期待される能力を発揮し、十分な時間を費やし取締役としての職務を執行できること。
  • 取締役候補者は、株主に対する受託者責任を認識し、ステークホルダーとの適切な協働を確保しつつ、当行及び株主共同利益のために行動できること。
  • 社外取締役候補者は、企業経営、金融、財務会計、法律等の分野で高い見識や豊富な経験を生かし、独立した客観的な立場から経営陣の職務執行を監督する資質を有すること。
<監査役選任基準>
  • 監査役候補者は、株主に対する受託者責任を認識し、ステークホルダーとの適切な協働を確保しつつ、良質な企業統治体制の確立に努力できること。
  • 監査役候補者は、会議等において能動的かつ積極的に権限を行使し、取締役等に適切に意見を述べることができること。
  • 社外監査役候補者は、企業経営、金融、財務会計、法律等の分野で高い見識や豊富な経験を生かし、独立した客観的な立場から経営陣の職務執行を監督する資質を有すること。
<解任検討基準>
  • 取締役(社外取締役を含む)又は監査役(社外監査役を含む)につき、重大な法令定款違反や、選任基準に照らして著しく適格性に欠けるなどにより職務執行に障害があると判断される客観的かつ合理的な理由があり、職務の執行を委ねることができないと判断される場合。

取締役および監査役の専門性と経験(スキルマトリックス)

【社内役員】 スキル区分
氏名 役位 ジェンダー
(性別)
経営戦略
(サステナビリティ)
営業 市場・国際 人事 コンプライアンス
・リスク管理
システム
・IT
長堀 和正 取締役頭取 男性
白井 利幸 取締役副頭取 男性
大友 謙 専務取締役 男性
宮﨑 貴夫 常務取締役 男性
滝沢 潔 常務取締役 男性
黒澤 進 常務監査役 男性
若林 一弘 常務監査役 男性
【社外役員】 スキル区分
氏名 役位 独立性 ジェンダー
(性別)
企業経営 金融 国際経験 法務 財務
・会計
IT
・デジタル
地域経済
・行政
満岡 隆一 社外取締役 男性
真田 幸光 社外取締役 男性
小林 彩子 社外取締役 女性
毛塚 富雄 社外監査役 男性
𠮷田 波也人 社外監査役 男性
中野 晃 社外監査役 男性

役員の報酬の額又はその算定方法の決定方針

基本報酬、業績連動賞与及び株式報酬等は、株主総会の決議によって定められた報酬限度額の範囲内において、取締役の報酬については、経営諮問委員会の審議を踏まえ、取締役会において決定することとしております。なお、監査役は監査役会の協議によって決定しております。
2011年6月29日開催の第88回定時株主総会の決議によって定められた報酬限度額は、取締役が年額350百万円(決議当時の員数7名)、監査役が年額60百万円(決議当時の員数5名)であります。
また、取締役の報酬限度額とは別枠に、2016年6月28日開催の第93回定時株主総会の決議によって定められた株式報酬等の取締役(社外取締役を除く)に対する報酬等の限度額は、3事業年度を対象として合計300百万円(決議当時の員数7名)であります。

(a)取締役
取締役(社外取締役を除く)の報酬は、中長期的な業績向上と企業価値の増大への貢献意欲を高めることを取締役報酬に関する基本方針とし、固定部分である基本報酬、変動部分である業績に連動する賞与、及び一部業績に連動する株式報酬等で構成しております。また、社外取締役の報酬は、基本報酬のみで構成しております。なお、基本報酬は役位毎の責任の重さや在任年数に応じて他社水準、当行の業績、従業員給与の水準も考慮しながら総合的に勘案し、決定しております。
業績連動報酬と業績連動報酬以外の報酬等の支給割合については、当行と同程度の事業規模や関連する業種に属する企業の水準を踏まえ検討を行うこととしております。
業績連動賞与及び株式報酬等の当該目標値は中期経営計画に定める年度毎の目標値としており、そのうち株式報酬は、67%を役位に基づく非業績連動部分、33%を業績目標(中期経営計画に定める年度毎の目標値)に基づく業績連動部分により構成しております。交付等が行われる当行株式等の数は、信託期間中の毎年一定の時期に付与されるポイントに基づき定まり、取締役退任時にポイントの50%は当行株式として交付を受け、残りについては、本信託内で換価した上で、換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとしております。
(b)監査役
常勤監査役と非常勤監査役に大別し、監査役会の協議によって決定しております。
なお、監査役賞与の制度はありません。

<取締役および監査役の報酬等の総額>

(自2024年4月1日 至2025年3月31日)

役員区分 員数 報酬等の総額
(百万円)
基本報酬 業績連動賞与 非金銭報酬等
取締役(社外取締役を除く) 6 205 160 26 19
監査役(社外監査役を除く) 2 31 31
社外役員 6 43 43

(注)非金銭報酬等は、当行の中長期的な業績向上と企業価値の増大への貢献意欲を一層高めることを目的として、役員報酬BIP信託(以下「BIP信託」という。)と称される仕組みを採用した株式報酬等であります。BIP信託とは、役位や業績目標の達成度等に応じたポイントが当行の取締役(社外取締役を除く)に付与され、そのポイントに応じた当行株式および当行株式の換価処分金相当額の金銭が取締役の退任時に交付および給付される株式報酬型の役員報酬であります。
なお、非金銭報酬等には、当該制度に基づき当事業年度に付与された株式交付ポイントに関する費用を記載しております。

社外取締役(社外監査役)のサポート体制

社外取締役・社外監査役向けに取締役会の約1週間前に、資料を事前に配布した上で、事前説明会を開催し、取締役会において牽制的な立場から意見具申等を行える体制としております。
社外取締役は取締役会及び経営会議等へ出席しているほか、重要な情報は適時・適切に伝達される体制となっております。
社外監査役は取締役会へ出席しているほか、重要な情報は適時・適切に伝達される体制となっております。
社外監査役を含む監査役の職務を補助すべき使用人として、監査役補助者を1名配置しております。
また、社外取締役・社外監査役に対し、重要な会議における議事録を回覧し、意思決定プロセスの高い透明性を確保しているほか、必要に応じて個別に情報提供を行うなど、柔軟なサポート体制としております。

取締役会の実効性評価

当行は、当行の取締役会の構成・運営・機能など、取締役会がその役割・責任を果たす上で重要と考えられる事項について、各取締役・監査役のアンケート形式による自己評価を踏まえ、取締役会の実効性について分析・評価を行うとともに課題の共有化を図っております。その結果の概要等は、以下のとおりです。

評価方法

2024年度においては、「取締役会の構成・運営・機能」のほか、「取締役・監査役の取組み」、「取締役・監査役への支援体制」、「経営諮問委員会」、「ステークホルダーとの関係」、「総括」などの全8項目、34問について、外部の知見を参考にしながら、分析・評価を実施しております。

評価結果

取締役会は十分に機能していると評価しており、今後も経営環境の変化や業界動向等を踏まえて、更なる実効性向上に取組んでまいります。

  • 社外役員向けに取締役会の事前説明会を開催しているほか、社外取締役の経営会議などへの参加や議事録閲覧等を通じて、意思決定プロセスの高い透明性を確保しております。社外取締役が意思決定プロセスの適切性や客観性を自身で確認し、取締役会において牽制的な立場から意見具申等を行うことで、実効性の高いガバナンスの発揮に努めております。
  • 社外役員を含めた取締役会メンバーに対し、当行を取り巻く環境や当行の実態を理解し、今後の環境変化への対応を検討・協議するための研修・トレーニングの機会を継続的に提供し、取締役会の機能向上、更なる議論の活性化に向けた環境整備に取組んでおります。
  • 経営戦略の方向性を決定するにあたり、十分な議論が行われており、専門性を尊重しながら、相互に十分な監督・牽制が行われております。
  • 経営諮問委員会は、取締役会から独立し、指名や報酬などの重要な事項の決定に至る合理性やプロセスの客観性・透明性を確保し、独立社外取締役の適切な関与・助言を得ることにより、十分機能しております。
  • 2023年度の実効性評価の結果を踏まえ、取締役会において、当行を取り巻く環境や当行の実態を共有し、従業員エンゲージメント向上に向けた(人事制度改正など)人的資本経営への取組みやDXの推進・サイバーセキュリティへの対応強化に向け、十分な議論を重ねた上で、経営戦略に反映させております。
  • コンダクトリスクの観点から、取締役会として、顧客本位の業務運営におけるお客さま満足度を含めた当行の実態把握に努め、内部監査の高度化を図るとともに、営業現場・本部双方で、自律的な業務運営態勢を構築し、健全な組織文化が醸成されるよう監督機能の発揮に努めており、当行の取組みによる浸透・定着度合いを検証しながら、更なる改善を図ってまいります。
  • 今後も、サステナビリティへの取組みを経営の重要課題の一つと考え、持続可能な業務運営に向け、次世代幹部人材・専門人材の育成や女性の活躍を推進するとともに、脱炭素社会やデジタル化の進展のほか、デフレ経済からの脱却に向けた経済環境などの当行を取り巻く環境変化を踏まえた戦略的な議論や、サイバーセキュリティへの対応に加え、各種リスクへの対応など、リスクに照らした議論を重ねていくことを共有しました。企業価値向上に向け、それらの重要課題に対する内部監査を強化するとともに、取締役会における議論を充実させ、中長期的な経営計画に反映させてまいります。
  • 当行グループ全体のガバナンスをより一層強化すべく、取締役会のあり方(構成・運営・機能など)、意思決定や監査・監督に必要な情報提供の充実のほか、ステークホルダーとより緊密に向き合うために、対話状況を共有しながら、改善の余地がないかを検討し、随時対応するとともに、顧客本位の業務運営を当行の組織文化として根付かせるため、取締役会の更なる実効性向上に取組んでまいります。