連載コラム【お金の世界の歩き方】〜第29回 金融商品の性格〜

花子

「今年もよろしくお願いします。今年こそ、頑張ってお金を増やしたいと思います」

先生

「こちらこそよろしくお願いします。新年早々、宣言しましたね!」

花子

「だって、『1年の計は元旦にあり』と言いますし、昨年末にはボーナスも出たので、お金を増やすことにチャレンジしようかなと思ったんです」

先生

「それは頼もしいですね。では、今回は金融商品の性格の話を中心にしていきたいと思います」

花子

「よろしくお願いします。金融商品にも性格というのがあるのですね!」

先生

「はい、大きく分けて3つあります。一つは『流動性』、二つ目は『安全性』そして三つ目は『収益性』となります」

花子

「これらの性格に合わせて運用する商品も違うということですか?」

先生

「おっ、良い勘をしていますね。まずは『流動性』について説明しましょう。流動性という言葉を聞いて、何を意味しているか分かりますか?」

花子

「確か習ったような・・・出し入れなどが簡単に出来ることですか?」

先生

「うーん。ほぼ正解に近いですね。ここでの流動性というのは、『必要な時すぐに現金化することができる』という意味です。お金には、日常生活に使うなど、すぐに下ろして使えるようにしておくお金も必要ですよね」

花子

「そうですね。それは、生活費や急な医療費などのイメージですよね?」

先生

「その通りです。『流動性』の代表的なものとしては、普通預金があります」

先生

「では次に『安全性』について説明しましょう。安全性というのは、『預けたお金が目減りしない』ということです。
ですので、安全性の商品に充てるお金というのは、『使う目的は決まっているけれども、使うまでに時間があるお金』が該当します」

花子

「それって、例えば子供の入学金や結婚資金などでしょうか?」

先生

「はい。お金が減ってもらっては困るけど期間があるので、少しでも有利に増やしたいというイメージです」

先生

「例えば、定期預金です。定期預金の場合、3か月とか1年といった、ある程度のまとまった期間預けることになります。ですから、すぐに現金化できる流動性という点では普通預金よりも劣ることになります。ただ、今は超低金利時代ですので大きな差はありませんが、普通預金に比べて金利が高く、預けたお金も減りませんよね」

花子

「なるほど。わかりました」

先生

「最後は『収益性』です。これは、もうお分かりですね。『収益率は高いが、元本が減る可能性もある』ということです。収益性の商品としては、株式や投資信託が該当します」

花子

「収益率が高いということはリスクもあるということですね」

先生

「はい、その通りです。投資信託については、ファンドの中身によってリスクの程度が変わりますので、一概に『リスクが高い』とは言えません。ですから、一つ一つファンドの中身を調べる必要はあります」

投資信託についてはこちら

先生

「収益性の商品に充てるお金と言うのは、『しばらく使う予定のないお金や余ったお金』、例えば、10年や20年先の老後の資金などが該当します」

花子

「時間がある分、リスクも取れるということですね」

先生

「そうです。ですから、給料やボーナスなどは『すぐに使うお金』、『目的のあるお金』、そして『しばらく使う予定のないお金』という具合に仕分けをして、それぞれどのような性格の金融商品で運用するのかを決めるべきです」

花子

「まずは、ちゃんとどのようなお金なのかの仕分けが大事になってくるのですね」

先生

「はい。そして、もう一つ大事なことがあります。それは金融界にはこの3つの性格すべてを併せ持った商品は無い、ということです」

花子

「どういうことですか?」

先生

「つまり、流動性があり、安全性がありそして収益性もあるという都合の良い商品は存在しないということです。『この商品は収益率10%以上です。元本保証でリスクなく運用できます。そして、お金が必要な時はいつでも言ってください。すぐに現金化してお返しします』ということはあり得ない、ということです」

花子

「怪しい感じがしますね」

先生

「特にどこがあり得ないのかと言いますと、安全性があり且つ収益性がある、ということです。これはどこがおかしいかわかりますよね?」

花子

「はい。安全性が高いということは元本は目減りしないということです。そして収益性があるということは運用結果次第で元本が増えたり減ったりする不確実な状態ですから、ローリスク・ハイリターンというのは矛盾していますね」

先生

「その通りです!この金融商品の3つの性格をしっかり把握して、自分たちの資金はどの性格の金融商品に該当するのかを考えてから運用するようにしましょう」

花子

「はい、よくわかりました!ありがとうございます」

金融商品3つの「性格」流動性・安全性・収益性。1つの商品で2つの性格を兼ね備えた商品は無いので、それぞれの性格を把握した上で運用しましょう!

『武蔵野 花子』プロフィール

埼玉県内に住む33歳の女性。
パートタイムで働いており、家族は会社員の夫・長女(小学校1年生)・長男(幼稚園)がいる。最近よくママ友と子供の教育費や、家の購入について話すことが多く、これからのお金の使い方について、どうすればいいのかわからず悩んでいる。

『川口先生』プロフィール

証券会社や銀行を経て、現在は金融ジャーナリストとして活躍している。武蔵野家の近所に住んでいて、悩める花子に対しお金についていろんな角度から話をしてくれる。
趣味はスポーツで、ゴルフが得意だそう。また、社会人になってから始めた空手も黒帯である。

執筆:川口一晃

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