連載コラム【お金の世界の歩き方】〜第24回 外貨建て商品〜

花子

「今日は一つお伺いしたいことがあります」

先生

「はい、何でしょう」

花子

「投資を考えた場合、海外の金融商品というのはどうなんでしょうか?最近、海外の金融商品を見かけるので、気になっていました」

先生

「なるほど、外貨建て商品のことですね」

花子

「はい。日本はまだマイナス金利が続いていますよね。先日もボーナスを何に預けようかと考えた時に、日本の金利を見るととても低いので、もっと効率的に貯めるにはどうすればいいのかなと思って…」

先生

「そういうことですか。わかりました。今回は外貨建て商品について説明したいと思います。『2階建て』という言葉をキーワードとして覚えておいてください」

花子

「『2階建て』ですか。先日の年金の時には『3階建て』という言葉が出てきましたよね。家の例えが多いですね」

先生

「変なところを突っ込みますね。でも、年金が『3階建て』というのを覚えていてくれて安心しました」

花子

「いえ、難しいお金の話を易しく伝えるために工夫をされているんだなと思ったので…」

先生

「はい。ご期待に応えてわかりやすく説明したいと思います。まず、海外の金融商品なのですが、これは日本のものと大きな差はありません。株式や債券、債券も国が発行する国債や会社が発行する社債があります。また、預貯金などもあります」

花子

「この点は日本と変わらないんですね」

先生

「そうです。でも、大きく違うのは為替が絡むということです。例えば、アメリカの銀行に預金するとしましょう。金利は5%とします。あくまでも仮定です。1ドル100円の時に100万円を預金しようと思うと預金する金額は何ドルになりますか?」

花子

「100万円÷100円ですから1万ドルですよね」

先生

「その通りです。では、1万ドルの預金をしたのですから翌年は利息を含めていくらになりますか?」

花子

「それも簡単ですよ。1万と500ドルです」

先生

「では、その1万500ドルを日本円に替えるとしましょう。この時も1ドル100円だとすると日本円でいくらになりますか?」

花子

「今度は1万500ドルに100円を掛けるので、1,050,000円になります。5万円の利息が付いたということですよね」

先生

「はい、そうです。では、1万500ドルを日本円に替える時に1ドルが110円になっていたとしたらどうなりますか?つまり、預金した時よりも円安になったということです」

花子

「1万500ドルに110円をかけるんですよね…1,155,000円になります。わっ!増えましたね!」

先生

「では、同じく1万500ドルを1ドル90円の時に替えるとどうなりますか?逆に、円高になったということですね」

花子

「えーと…945,000円になります。100万円を割り込んでしまいました」

先生

「アメリカでは同じ1万500ドルであったものが、ドルを円に換えると受取金額が変わってしまいます。その原因はどこにあるのか、もうお分かりですよね?」

花子

「はい。1ドルの値段が変わること、つまり円高や円安になることで受け取る日本円も変わりました」

先生

「そうなのです。つまり外貨建て商品の収益は商品自体の収益部分と為替部分の収益部分との二重構造になっているのです。これが『2階建て』の意味です」

花子

「なるほど、そういう2階建てという意味だったのですね。『2階建て』ということは投資をする際、私たちは商品自体の値動きと為替の値動きの2つに注意をしないとといけないということですよね?」

先生

「そういうことになります。特に為替については注意が必要です」

花子

「つまり、外貨建て商品に投資をする時は、円高の時に購入して円安の時に売却することがポイントということですよね」

先生

「その通りです。それと商品自体の収益よりも為替の収益の方が大きいケースもあります」

花子

「為替というのはそんなに動くものなのですか?」

先生

「例えば、米ドルの2019年の1月から6月末までの半年間を見ると105円から112円の間を推移しています」

花子

「半年間で7円動いているのですね」

先生

「2018年は104円から114円の10円幅の値動きとなりました。2017年は約11円幅、2016年には約23円幅の動きがありました」

花子

「えっ、1年間で20円以上も動いたことがあるのですか?さっきの例で100円が円高で80円になると20%の減少ということですよね。そう言えば、イギリスのEU離脱の国民投票の時に大きく動いて大騒ぎになっていましたよね」

先生

「はい。英ポンドが暴落し、他の通貨も影響を受けました。このように経済や政治などさまざまな要因で為替は動きます」

花子

「為替の値動きの話を聞くと、これから円高になるのか、円安になるのかの見極めが大事なのがよくわかります」

先生

「そうなのです。先ほども言いましたように、商品自体の収益よりも為替の動きの方が大きくなることが考えられるからです。アメリカの株式であれば、日本同様、株価が大きく上昇する銘柄もあります。20%以上の上昇であれば、多少の円高になっても日本円に替える時に利益は残ります」

花子

「なるほど。逆に、株価はプラスでもその収益率が低く、為替で円高になったりすると、差し引きマイナスになることもあるということですよね」

先生

「はい。ですから、外国債券の2%や5%という利回りは、為替動向次第と言っても過言ではないと思います」

花子

「今まで商品自体の収益にしか注意していませんでした」

先生

「外貨建て商品に投資をする際には、商品自体の理解、とくに為替を含めてリスクとしては何が存在するのかをしっかり把握することが大事です。手数料がどれくらいかかるのか、売却できない期間はあるのかなども調べる必要があります」

花子

「よくわかりました。肝に銘じておきます。日本は低金利なので外国に投資したいと安易に考えるのではなく、投資する国の経済動向など、どんなリスクがあるかも考えて投資することが大事なんですね」

先生

「リスク許容度や目的を確認し、自分にあった金融商品を選びましょう。一度銀行の窓口などで相談してみると良いですよ」

花子

「はい!今日もありがとうございました」

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外貨建て商品は2階建てのイメージ

『武蔵野 花子』プロフィール

埼玉県内に住む33歳の女性。
パートタイムで働いており、家族は会社員の夫・長女(小学校1年生)・長男(幼稚園)がいる。最近よくママ友と子供の教育費や、家の購入について話すことが多く、これからのお金の使い方について、どうすればいいのかわからず悩んでいる。

『川口先生』プロフィール

証券会社や銀行を経て、現在は金融ジャーナリストとして活躍している。武蔵野家の近所に住んでいて、悩める花子に対しお金についていろんな角度から話をしてくれる。
趣味はスポーツで、ゴルフが得意だそう。また、社会人になってから始めた空手も黒帯である。

執筆:川口一晃

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