連載コラム【お金の世界の歩き方】〜第23回 個人型確定拠出年金『iDeCo』〜

先生

「今日は前回お約束した、個人でも出来る確定拠出年金、『iDeCo』の話をしましょう」

花子

「よろしくお願いします。個人でも出来るということは、私も加入できますね!」

先生

「はい。『iDeCo』は日本在住の20歳以上60歳未満の方であれば、原則誰でも始めることが可能です」

花子

「自分の年金を自分で作ることができるのですね。実は最近のニュースでも老後の生活費について話題になっていたので、少しでも若いうちから準備をしないといけないなと思っていたところです」

先生

「確かに老後の生活を考えると公的年金だけでは不安になりますからね」

花子

「私の周りでも将来の不安を口にする人は多いです。ところで、『iDeCo』は確定拠出年金なので、毎月拠出するお金の金額が決まっていますよね?」

先生

「はい、月々5,000円から始めることができます。『iDeCo』は、毎月一定の金額を積み立て、あらかじめ用意された定期預金、保険、投資信託といった金融商品を選び、運用する仕組みです。税制の優遇といったメリットもあるんですよ」

花子

「どんなメリットなのですか?」

先生

「『iDeCo』には3つの税制メリットがあります。1つ目は、毎月積み立てた掛金が全額所得控除となり税金が軽減されます。
例えば、年収500万円の人が毎月1万円の積み立てをすると、その全額が税額軽減の対象となり、所得税(10%)、住民税(10%)とすると年間の節税額は24,000円となります」

先生

「2つ目は、運用中に得た利益も非課税で再投資ができます。通常、定期預金の利息や投資信託で得られた利益には20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかりますが『iDeCo』の場合非課税になります」

先生

「3つ目は、受け取る時も控除があります。『iDeCo』は運用資産を60歳以降に年金または一時金で受け取ります。年金で受け取れば公的年金等控除が受けられ、一時金で受け取れば退職所得控除が受けられます」

花子

「そんなに優遇があるのなら、是非始めたいです。毎月いくらでも積み立てることができるのですか?」

先生

「5,000円以上1,000円単位で積立額を設定できるのですが、その人の職業によって積み立ての上限額が決まっているのです」

花子

「えっ、職業別になっているのですか、びっくりです」

先生

「そうなんです。専業主婦の方の上限は23,000円、公務員は12,000円、企業年金のある会社員は12,000円、企業年金のない会社員は23,000円、そして自営業の方は68,000円とそれぞれ月々の上限額が決まっているのです」

花子

「へぇ〜、そうなのですね。でも、今のうちは積み立てられても、将来は負担になってくることが考えられます。そういう時に、月々の積み立てる金額を変更することは出来るのですか?」

先生

「はい。年に1回、積立額を変更することができます」

花子

「変更することは出来るのですね。では、お金が急に必要になった時に解約することはできますか?」

先生

「実は60歳まで引き出すことはできません。ただし、手続きが必要にはなりますが、積み立てを停止することはできます」

花子

「その場合は、それまでに積み立てたお金を運用してくれるということですか?」

先生

「はい、その通りです」

花子

「そう言えば、確定拠出年金というのは、運用する商品を自分で選択するのですよね?」

先生

「そうなのです。運用商品は大きく分けて2つあり、一つは『元本確保型』、もう一つは『元本変動型』です」

花子

「『元本確保型』というのは、定期預金などのことですよね」

先生

「その通りです」

花子

「元本が減らないというのは一つのメリットだとは思うのですが、以前に教えていただいた『72の法則』で計算しても、預金だけでは増えませんよね」

  • 『72の法則』についてはこちら

    コラム お金を増やす

先生

「ちゃんと『72の法則』を覚えていましたね。これは、何年でお金が倍になるのかがわかる法則です。「72」を預けた時の金利で割った数がお金が倍になる年数となります。現在の定期預金の金利は0.01%前後なので、72÷0.01=7,200となり預けたお金が倍になるのに7200年かかってしまいますね」

花子

「今は金利が低いですからやっぱり増えませんね」

先生

「一方、『元本変動型』は投資信託なので定期預金と違い、リスクはありますが、積立ですので、『ドルコスト平均法』によるリスク低減が期待されます」

  • ドルコスト平均法についてはこちら

    コラム 積立〜初心者入門〜

花子

「そうでした!積立は『ドルコスト平均法』が使えるので、価格が変動する商品に投資をするのには有効であると教わりましたね」

先生

「はい、そうなのです。普段からの貯金もあるでしょうし、家計を一つの運用母体と考えると、すでに元本確保型をしっかり実践されている家庭が多いと思います。ですから、長期間積み立てる『iDeCo』は、元本変動型で『増やす』を考えて運用しても良いかもしれませんね」

花子

「なるほど、わかりました。今日の話を参考に、是非『iDeCo』を始めてみたいと思います。ありがとうございました」

  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)についてはこちら

まとめ画像「iDeCoは…個人が自分で作る個人型確定拠出年金。1.税制の優遇があります 2.月々5,000円以上からのスタートですが職業によって限度額があります。3.60歳まで引き出すことはできませんが60歳以降に年会または一時金で受け取れます。」

『武蔵野 花子』プロフィール

埼玉県内に住む33歳の女性。
パートタイムで働いており、家族は会社員の夫・長女(小学校1年生)・長男(幼稚園)がいる。最近よくママ友と子供の教育費や、家の購入について話すことが多く、これからのお金の使い方について、どうすればいいのかわからず悩んでいる。

『川口先生』プロフィール

証券会社や銀行を経て、現在は金融ジャーナリストとして活躍している。武蔵野家の近所に住んでいて、悩める花子に対しお金についていろんな角度から話をしてくれる。
趣味はスポーツで、ゴルフが得意だそう。また、社会人になってから始めた空手も黒帯である。

執筆:川口一晃

このページの先頭へ