連載コラム【お金の世界の歩き方】〜第2回 住宅〜
花子
「川口先生、今日は住宅の購入についてお聞きしたいです」
先生
「任せて下さい、何でもお答えしますよ」
花子
「最近ママ友の間で家の購入について話題になることが多くて、我が家もそろそろ考え始めないと、とは思っているのですが…住宅って賃貸と持ち家ではどちらが良いのでしょうか」
先生
「価値観によって違いはありますが、僕は持ち家派ですよ」
花子
「へぇー、それはどんな理由でしょうか」
先生
「賃貸派のメリットから考えてみましょう。賃貸派のメリットの一つに好きな場所を求めて移動できる、というものがあります」
花子
「我が家も主人の職場が変わった時や、子供が生まれて部屋を増やしたいタイミングで引っ越した経験がありますが、そうして移動できるのは賃貸だからこそですよね」
先生
「ちなみに、花子さん、今のお住まいの家賃はいくらですか」
花子
「今住んでいる所は本来約12万円ですが、主人の会社から5割の住宅補助があり、実際の支払いは約6万円です」
先生
「なるほど、では、旦那さんが定年を迎えて引退した後に12万円の家賃を払うのは大変だと思いませんか」
花子
「そっ、それはそうですね…。でも、その頃には子供たちも独立しているでしょうし、もう少し小さくて家賃も安い所に引っ越す、という方法もありますよね」
先生
「たしかに小さい家に引っ越す可能性はありますよね。でも、定年を迎えて、収入が減った時に借りられないリスクが出てきます」
花子
「なるほど…『借りられない』ということは考えたことがありませんでした。」
先生
「そして、持ち家派のメリットなのですが、最終的に資産になることです。家賃とローンと同じような金額を払うのであれば、ローンを払い終わった段階で自分たちの資産になる方が良いでしょう」
花子
「今のお話を聞くと持ち家の方が後々安心かもしれませんね。もし家を買うとしたら新築と中古とではどちらが良いのでしょうか?ママ友の話では、新築を買う方が多い気がしますが」
先生
「新築のメリットはとにかく『新しい』ということです。自分たちで築いていく、という精神的なメリットです。ただ、例えば新築マンションだと、価格の中に業者のコストも含まれています。具体的には、モデルルームにかかる費用等です。そして、修繕積立金も住んだ後で値上げされていくケースがほとんどなのです」
花子
「えっ、そうなんですか!真新しい家には憧れますが、新築価格ってやっぱり高いですもんね…。修繕積立金も値上げがあるなんて知りませんでした」
先生
「一方で、中古の家の不動産価格は不動産マーケットで決まりますので、ほぼ適正価格で取引されます。修繕積立金も修正されていますので、僕は中古がおトクと考えています」
花子
「自分たちに合った物件を探すべきですね。そして、実はこれが一番お聞きしたいことなのですが…。家を購入する時に組む住宅ローンの金利は、固定と変動のどちらを選ぶべきでしょうか?」
先生
「たしかに、金利の選択は難しいですよね。固定も変動も言葉の通りで、金利を固定するか、変動させるかの違いがあります。」
花子
「本当に言葉の通りですね(笑)」
先生
「固定金利は、契約後に金利水準が上がっても下がっても返済額は変わらないので、金利が上がるような時は、固定金利を選んだほうがおトクです」
花子
「なるほど。変動金利はどうでしょうか」
先生
「経済の動きによって金利が変動すると、変動金利の場合は負担する返済額も増えたり、減ったりします。ですので、金利が下がるような時は、変動金利を選んだほうがおトクです」
花子
「両方がそれぞれいい面とそうでない面を持ち合わせているのですね」
先生
「そうなんです。ですので、自分の考え方に合った金利を選ぶことが大切です」
花子
「なるほど。でも、どちらを選択すればいいのか全く判断がつきません…」
先生
「もし迷ってしまったら、金融機関へ相談して、アドバイスをもらうのもいいかもしれませんね」
花子
「そうですね!そういえば、ママ友の中には過去の高い金利の時代にローンを組んでしまって、最近の低金利が羨ましいって言っている方もいますが、そういう方にも何か方法はありますか?」
先生
「住宅ローンの借換という方法があります。ただ、ローンを組んだ時よりも金利が低くなったから借換すればいいわけではありません。借換の目安として3つの条件があります。①ローンの残高が1000万円以上であること②ローンの返済期間が10年以上残っていること③住宅ローンと借換の金利に1%以上の差があることです。ただ、この3つの条件に当てはまらなくても、借換をすることで支払額が減り、おトクになる可能性もありますので、まずは近所の武蔵野銀行に相談してみましょう」
花子
「へぇー、そうなんですね!勉強になるわ…この話は友達にも紹介しておきます」
先生
「良いお金の先生がいるよ、と宣伝をしておいてください」
花子
「もちろんです(笑) ありがとうございました!」
『武蔵野 花子』プロフィール
埼玉県内に住む33歳の女性。
パートタイムで働いており、家族は会社員の夫・長女(小学校1年生)・長男(幼稚園)がいる。最近よくママ友と子供の教育費や、家の購入について話すことが多く、これからのお金の使い方について、どうすればいいのかわからず悩んでいる。
『川口先生』プロフィール
証券会社や銀行を経て、現在は金融ジャーナリストとして活躍している。武蔵野家の近所に住んでいて、悩める花子に対しお金についていろんな角度から話をしてくれる。
趣味はスポーツで、ゴルフが得意だそう。また、社会人になってから始めた空手も黒帯である。
※本コラムを執筆されている川口一晃氏がナビゲーターを務める、当行提供ラジオ番組「お金の世界の歩き方」毎週月〜木曜日7:04からNACK5にて絶賛放送中!当行行員も出演していますので、ぜひお聴きください!聴き逃してしまってもラジオが聴けるアプリ「radiko.jp」にて1週間までさかのぼって聴くことができます!