【マネーレッスン】知ったかぶりは恥ずかしい!「確定拠出年金」について

■今回のお悩み

今回の相談者:あきりんさん
「給料が増えない上に、節約も苦手で、貯金がなかなか増えません。投資をしてお金を増やしていければとは思っていますが、その前に、確定拠出年金をうまく運用していけるのか不安です」

★あきりんさんプロフィール
商社・卸関連企業で、秘書・アシスタント職の正社員として働く、社会人4年目の26歳。東京都在住で、ひとり暮らしをしている。手取り年収約300万円、手取り月収約19万円。毎月2万円を財形貯蓄し、現在の自分名義の貯蓄額は10万円以上〜30万円未満。自分なりの節約方法は、間食を控えることだが、半年に一度の割合で、ついお菓子の衝動買いをしてしまう。

■「確定拠出年金」って何?

編集部あきりんさんは「確定拠出年金」を運用していくことに不安を持っているようです。そもそも、確定拠出年金とはいったい何ですか?

風呂内亜矢(以下、風呂内)確定拠出年金とは、決まった額の掛け金(=拠出額)を加入者自身が運用し、その結果によって老後の受給額が決まる私的年金のひとつです。対して、国民年金・厚生年金といった公的年金や、掛け金を企業が運用し給付額も確定している企業年金などは、「確定給付年金」と呼ばれています。

編集部つまり確定拠出年金は、確定給付年金とちがって“老後にいくらもらえるのか確定していない年金”。いくらもらえるかは自分の運用次第というわけですね。

風呂内確定拠出年金には、各企業が導入の有無を決定する「企業型」と、個人で入れる「個人型」があります。

企業型に加入した場合の年金給付は、公的年金に加えて、「確定拠出年金のみ」、「確定給付企業年金+確定拠出年金」、「厚生年金基金+確定拠出年金」の大きく3パターンに分かれます。一方、個人型は、自営業者や企業型確定拠出年金に加入していない会社員が対象で、加入するかどうかは個人で決められます。いずれも、原則60歳になったら年金または一時金として受け取ることができます。

また、確定給付年金は終身のこともありますが、確定拠出年金は60歳までの運用成績に応じた金額を5〜20年などの決められた期間ですべて受給して終了です。

編集部なるほど。自分の運用次第で老後のお金が大きく変わりますね。

●確定拠出年金とは

  • 決まった額の掛け金(=拠出額)を加入者自身が運用し、その結果によって老後の受給額が決まる年金のひとつ
  • 各企業が導入の有無を決定する「企業型」と、個人で入れる「個人型」がある
  • 個人型は、自営業者や企業型確定拠出年金に加入していない会社員等が対象
  • 原則60歳になったら年金または一時金として受け取ることができる
  • 終身ではなく60歳までの運用成績に応じた金額を決まった期間ですべて受給し終了

■「確定拠出年金」のメリットとデメリット

編集部確定拠出年金にはどんなメリットがありますか?

風呂内最大のメリットは、税金の優遇です。掛けた金額分だけ所得から控除されますので、その分、所得税や住民税が安くなります。たとえば、あきりんさんの月々の掛け金が、企業型確定拠出年金の限度額である5万5,000円だった場合、5万5,000円×12カ月=年間66万円が控除されます。それを、所得税・住民税それぞれで計算すると、所得税は年間3万3,000円、住民税は年間6万6,000円も減額されることになるんです。5万5,000円は最大かけられる金額ですが、仮に毎月の掛金が1万円だったとしても年間1万8,000円減税されます。

編集部それはすごい。節税になるんですね。

風呂内メリットはまだありますよ。掛け金を運用している間に出た収益も非課税の上、60歳になって年金や一時金を受け取る際にも公的年金や、退職金として計算します(一定の控除が使え、受取金額全額に課税はされない)。つまり一般的な資産運用と比べて、積み立て・運用・受け取りのすべてで税制上の大きなメリットを得られるんです。

編集部株などを運用すると、利益分に課税されてしまいますもんね。同じ運用をしても、すべてが非課税なら受取額には大きな差が出そうです!

●「確定拠出年金」のメリット

  • 掛けた金額分だけ所得から控除されるので、所得税や住民税が安くなる
  • 掛け金を運用している間に出た収益も非課税
  • 60歳になって年金や一時金を受け取る際にも一定の控除が使える

編集部一方でデメリットもあるのでしょうか?

風呂内ありますね。ひとつは、運用の結果によっては元本割れを起こすこと。そして原則60歳までは受給できないこと。投資でありながら満期になるまでお金を引き出すことはできません。そのため掛け金をいくらにすべきなのかを悩む人は多いです。これから一定額を毎月貯蓄するにあたって、いざというときに使えるお金として貯めたいのか、60歳まで使えないものとして貯めたいのか、そのあたりを判断基準にして掛け金を決めましょう。

編集部よく考えずに、たくさんかけてしまうと、いざというとき困る人も出てくるかもしれないんですね。

風呂内そうですね。またほかにも、転職をする際にも注意がいります。転職先が企業型確定拠出年金を導入していない場合、自分で手続きをして個人型確定拠出年金に振り替えをする必要があるんです。専業主婦になった場合は自分で個人型確定拠出年金用の口座を開き移管する形になりますが、確定拠出年金の口座は月数百円の手数料がかかります。それまで少ししか掛け金を払っていなければ、手数料を払い続けた結果、積み立て分がほとんどなくなってしまうことも。このあたりの処理をうまくできていない人はとても多いですね。

●確定拠出年金のデメリット

  • 運用の結果によっては元本割れを起こす
  • 投資でありながら満期になるまでお金を引き出すことができない
  • 転職先が企業型確定拠出年金を導入していなかったり、専業主婦になった場合、手続きが煩雑なことが多く、自分で処理するのが大変

■確定拠出年金をうまく運用していくには

編集部勤務先で企業型の確定拠出年金を導入していると、社員は必ず加入しなければならないのでしょうか?

風呂内はい、原則強制です。とはいえ、個人型の場合は掛け金を自己負担しますが、企業型は会社が掛け金を負担してくれていますので、身銭を切る必要はありません。ちなみに、会社が負担してくれている掛け金に上乗せして、個人の拠出もできる「マッチング拠出」という制度もあります。これができるかどうかは企業ごとに定められていますので、確定拠出年金を手厚くしたい場合は、自分の会社で認められているかを確認しましょう。

編集部なるほど。では、企業型の場合、具体的にどのように運用していくのでしょうか。

風呂内会社ごとに提携している保険会社や証券会社などの金融機関からリストアップされた商品の中から、加入者自身が選ぶ形になります。商品には定期預金のようなものから投資信託までさまざまあり、運用する割合なども各人が決めなければなりません。

編集部うまく運用するコツなどあれば教えてください。

風呂内一般的な資産運用の考え方と同じです。年齢が若いときには多少のリスクを負う商品を選んで、年齢を重ねるごとに安定型の商品にシフトしていくのが王道でしょう。運用成績は自分でチェックできるので、できれば少なくとも1年に1度は運用の割合を見直すことをおすすめします。

●うまく運用するコツ

  • 年齢が若いときには多少のリスクを負う商品を選んで、年齢を重ねるごとに安定型の商品にシフトしていく
  • 少なくとも1年に1度は運用の割合を見直すこと

風呂内また、あきりんさんは投資もしたいと考えているようですが、それならまずは税の優遇を受けられる確定拠出年金の運用に力を入れてから、投資に目を向けたほうがいいと思います。

編集部確かにそうですね。投資の勉強にもなりそうです。あきりんさんのように確定拠出年金を始めたい場合はどうしたらいいのでしょうか?

風呂内勤務先が企業型確定拠出年金を導入しているかどうかを確認しましょう。導入している場合は、さらに個人で掛け金が上乗せできる「マッチング拠出」ができるかどうかも確認するのがいいですね。導入していない場合は、個人型確定拠出年金に加入するかどうかを検討してみてはどうでしょうか。

●確定拠出年金を始めたい場合

  • 勤務先が企業型確定拠出年金を導入しているかどうかを確認
  • 導入していたら個人で掛け金が上乗せできる「マッチング拠出」ができるかどうかも確認
  • 導入していない場合は、個人型確定拠出年金に加入するかどうかを検討

■あきりんさんの家計簿チェック

編集部最後に、家計簿チェックもお願いします。

風呂内月々の収支も赤字になっていませんし、東京でひとり暮らしをしながら毎月2万円を財形貯蓄に回せていますので、がんばっているなという印象です。もう少し貯蓄をしたいのであれば、交際費をあと5,000円下げられるのが理想ですね。

◆今回のおさらい

運用次第で老後資金に大きな差が!投資の勉強もかねて見直そう

決まった額の掛け金(=拠出額)を加入者自身が運用し、その結果によって老後の受給額が決まる「確定拠出年金」。税制上のメリットが大きいため、うまく運用して老後に備えたいものです。上手に運用するコツは、年齢が若いときには多少のリスクを負う商品を選んで、年齢を重ねるごとに安定型の商品にシフトしていくこと。また、1年に1度は商品の見直しをすることも大事です。投資の勉強にもなるので、個人投資をする前に、まずは自分が加入しているものをしっかり見直しましょう。

(ヨダヒロコ/六識)

出典:マイナビウーマン

確定拠出年金についてくわしくはこちらへ

このページの先頭へ