他人事じゃない!もし今すぐ「介護」が必要になったら?

◆今回のお悩み

相談者:ふうさん
「両親が最期まで健康でいてくれるのか、介護が必要になるのかわからないので、比較的若年から介護が必要になったときの金銭負担額を知りたいです」

◆ふうさんプロフィール
自動車関連企業で事務職の正社員として働く、社会人6年目の29歳。東京都在住で、親と同居している。手取り年収約390万円、手取り月収約25万円。毎月5万円を給与天引きでMMF(公社債投資信託のひとつ)に回しているにもかかわらず、月々の支出合計はトータルで11万9,000円と、大幅な黒字。1週間ごとの予算を袋にわけて使うなど、徹底的にムダを省いた生活を送っている。また貯蓄には一切手をつけず、ボーナスも全額貯蓄するほどの倹約家ながら、自分名義の貯蓄額を把握していないという一面も。こだわり出費は、月に2回通う「パン教室」(1回4,000円)。休日は家でのんびりするか、彼とドライブに出かけることが多い。その彼とは1年以上付き合っており、いずれ結婚したいと思っている。

編集部ふうさんは現在実家暮らしで、将来両親にもしものことがあれば、自分が介護するつもりでいるようです。その場合、介護費用としてどのくらいかかるものなのでしょうか。

風呂内亜矢(以下、風呂内)まず知っておいてほしいのは、自治体から「介護(または支援)が必要な状態にある」との認定を受けた方であれば、公的介護保険のサービスを受けられるということです。この認定は要支援1〜要介護5の7段階あり、それぞれに定められた支給限度額の範囲内であれば、1〜2割の利用料を支払うことで、訪問介護や施設への短期入所などの介護サービスを受けることができます。

編集部たとえば、要介護度のもっとも低い「要支援1」であれば、約5万円分のサービスを5,000円や1万円くらいで受けられるわけですね。一定以上の所得がある場合は2割負担となりますが、要介護度5の場合でも、約36万円分のサービスを、7万円程度(2割負担の場合)で支出がおさえられるのは、大きいですね。

風呂内はい。ただ、こちらも所得に応じて自己負担の限度額が設けられており、限度額を越えた分については、申請すれば「高額介護サービス費」として払い戻されます。ふうさんのご両親がもっとも高い所得区分だったとしても、1カ月に4万4,400円の自己負担額で済みます(一部の費用は除く)。
また、生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査(平成24年度)」によると、介護期間の平均は5年弱というデータも。仮にふうさんのご両親が介護サービスを手厚く受けたとして、1カ月の自己負担額を約5万円とすれば、1年で約60万円。介護期間5年と考えると、約300万円が介護費用のひとつの目安になります。

編集部自己負担額が5万円以内で済むなら、介護費用はご両親の年金の範囲内でまかなえそうです。

風呂内そうですね。また年金は、障害の状態になっている人では受給できる年金の組み合わせがいくつか選べるため、ご両親が選択できる年金を調べて、受け取れるものはしっかり受け取ったほうがいいでしょう。

編集部忘れずに手続きしないと損ですね。ちなみに公的介護サービスの利用料以外で、さらに見積もっておいたほうがいい費用はありますか?

風呂内床をフラットにするなど自宅を介護用にリフォームするのであれば、その分の費用が発生します。また車椅子やベッド、おむつなどの介護用品も日常的に必要ですね。とはいえ、家のバリアフリーリフォームについては所得税や固定資産税が減税される制度が使える年があったり、自治体によっては助成を出しているところもあります。車椅子の貸し出しやおむつ費用を支給をしている自治体も多いですね。両親が住んでいる自治体にはどんなサービスや助成があるのかを調べて、活用するのもポイントです。

編集部公的な制度をしっかり理解して、有効活用すれば、ふうさんはそこまで不安に思う必要はないということですね。

風呂内はい。ひとつ問題があるとすれば、介護が発生したときに、ふうさん自身が今と同じペースで仕事ができない可能性があるということです。特別養護老人ホーム(介護が常に必要で、在宅では生活が困難になった高齢者が入居できる福祉施設のひとつ)に入れれば、月10万円程度の負担で済みますし、ふうさんも仕事を続けられますが、今はどこも待ち行列で、入所は難しい状況。在宅で介護される方が多いのが現実です。そうなると、介護費用はまかなえても、自分が生きていく上での生活費を補填するのが大変に。未婚であれば、余計にその覚悟はしておくべきかもしれません。

編集部確かにそうですね。ただ、ふうさんには1年以上付き合っている彼がいて、結婚も視野に入れているようです。結婚すれば、いざ介護が発生したとしても、生活費はなんとかなりそうです。その一方で、彼がひとりっ子だったり、長男だったりすると、相手の両親に対する「介護」も気になるところ。その場合、彼と結婚前に具体的なすり合わせをしておくべきなのでしょうか。

風呂内すり合わせしておきたいですが、彼に「自分の両親を介護するつもりはある?」とダイレクトに聞くのは、実際には難しいでしょうね。恐らく聞けても、兄弟構成や親との距離感くらいかと。あとは、結婚後にお互いの両親の介護問題について忌憚なく話ができる関係性をしっかり築いておくことが大事です。どうしても気になるようなら、「ひとりっ子だから、親の介護は私がしなくちゃいけないんだけど……」など自分の相談をして、相手の反応を見るのもひとつの手でしょう。

編集部なるほど。幸いにも、彼女は余裕のあるお金の使い方をしているので、介護で多少収入が減っても、とたんに生活に困るということはなさそうですが……。

風呂内そうですね。家計簿を見てもムダ遣いをしている項目はありませんし、しっかり貯蓄もしていますので、現状維持を心がけていただければ。その一方で、自分名義の貯蓄額を把握していないのは非常に気になります。

編集部普通預金ではなくMMFをしているので、評価額(投資信託分の資産の合計)がはっきりしていないのかもしれません。

風呂内投資をしているのであれば、どこの口座になにがあって、現時点での評価額はいくらなのかを記した資産リストは作ったほうがいいですね。自分の持っている余裕資金がわかっていないと、たとえば介護費用に300万円くらい必要だと聞いても安心できませんよね。何かあったときに用立てできるのかできないのか、その判断がすぐできるようにするためにも、自分の資産はしっかり把握するようにしましょう。

◆今回のおさらい

公的介護サービスを活用すれば、必要以上に「介護」の心配をしなくてもOK

両親が介護状態になったときには、まず自治体から「要介護・要支援認定」を受けることが先決。いずれかの認定がされれば、それぞれの限度額に応じて、公的介護サービスを1〜2割の自己負担で受けることができます。また自己負担額がかさんでも、4万4,400円を上限に、「高額介護サービス費」として払い戻されるため、介護費用について過剰に心配する必要はありません。ただ、在宅介護により自分の仕事(収入)に制限が生まれる可能性もあるため、自分の資産がいくらあるのかはしっかり把握を。特に、投資などで資産を分散させている場合は、どこにいくらあるのか一目でわかるようにリスト化しておきましょう。

出典:マイナビウーマン

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