ママもニッコリ 広がる!子育て支援

子どもの存在は社会の元気の源です

でも、現実はなかなか…
「子どもを産んでも、お金が大変」
「子育てしながら、仕事を続けられるかしら」
ママを取り巻く環境には厳しいものがあります

そうしたなか、国や企業で広がる「子育て支援」の輪
子どもの預け先が増えお金の面でのサポートも

子育てママにやさしい支援
その扉を開いてみませんか?

ストップ 少子化 広がる子育て支援の輪

仕事と家庭の両立が難しい

「子育て支援」は、私たちの生活にかかわる大事な取り組みです。少子化が進むなか、将来をしょって立つ子どもが増えることは、経済を元気にするだけでなく、健康保険や公的年金などの社会保障制度の安定化にも大きく貢献します。

でも現実は、一筋縄にはいかないようです。1人の女性が一生涯に産む子どもの数の推計を「合計特殊出生率」と言いますが、この割合が20年以上も1.5を下回る年が続いています(2014年は1.42)。過去最低の1.26を記録した2005年以降、緩やかに上昇してはいますが、それでも現在の人口を維持するために必要とされる2.07には、ほど遠いのが現状です。

晩婚化や子育て費用の増大など、少子化の原因は様ざまですが、とくに大きいのは経済的な理由です。専門家の調査(*)でも、理想と考える数の子どもを望まない理由として「子育てや教育にお金がかかりすぎる」「自分の仕事に差し支える」などが大きなウェートを占めており、こうした不安によって出産に踏み切れない現状が見てとれます。

安心して子どもを産み、育てる環境を整備するためには、家族の協力はもちろん、国や企業の一歩踏み込んだサポートが必要です。

希望出生率「1.8」をめざして

少子化や子育て支援に向けた取り組みは、国や企業を中心に、だいぶ前から進められてきました。1994年の「エンゼルプラン」を皮切りに、「待機児童ゼロ作戦」「少子化社会対策基本法」など、制度の整備が相次いで行われています。たとえば、2005年4月にスタートした「次世代育成支援対策推進法」では、自治体と企業に対して、子どもが健やかに育つための行動計画の策定と実施を求め、これを機に、市町村のサポートや企業の人事・福利厚生制度の導入が進んでいます。

でも実際のところ、子育て支援はまだまだ途上段階。今後も、息の長い取り組みが欠かせません。そこで国では、昨年4月から消費増税の財源を活用して、子どもの預け先の増加や待機児童の解消を柱とする、新しい子育て支援制度をスタートさせました。

また、11月に安倍内閣が取りまとめた「ニッポン一億総活躍プラン」でも、新3本の矢のひとつに夢をつむぐ子育て支援≠ェ盛り込まれました。結婚から妊娠・出産、子育てまで切れ目ないサポートを実現することで、希望出生率「1.8」を達成するための具体策が動き出そうとしています。

一方の企業でもこうした流れを受けて、仕事と家庭の調和(ワーク・ライフ・バランス)を重視し、出産後も安心して働き続けられる環境づくりに力を入れるところが増えています。ここは、仕事と子育ての両立を図る上で大事なポイントになりますから、今一度、勤め先の制度の状況を確認しておきたいですね。

これから子どもを持つ家庭も、子育て中のママも、子育て支援のあれこれを知っておくことは大切です。どんなしくみがあるのか、詳しく見ていきましょう。

(*)「第14回出生動向基本調査『結婚と出産に関する全国調査』2010年」(国立社会保障・人口問題研究所)

子育て支援の新制度ってどんなしくみ?

受け皿を増やして仕事復帰を後押し

仕事と子育ての両立を考える際に悩ましいのは、やはり子どもの預け先でしょう。出産後も同じ職場で働くにしても、新たに勤め先を探すにも、子どもを安心して預ける場所が少なければ、仕事復帰は大変です。これがいわゆる「待機児童」の問題で、2010年には2万6千人を超える子どもの受け皿が不足していました。

そんななか、待機児童の解消を進め、子育てママの働きやすい環境づくりを後押しするためにスタートしたのが、「子ども・子育て支援新制度」(2015年4月〜)です。子どもの年齢や両親の働き方に応じた様ざまな保育施設を用意するほか、保育士を増員するなどして、2017年度末までに待機児童ゼロ≠めざします。

保育施設の拡充は、新制度に先行して始まっており、2013年度からの2年間で約20万人分の受け皿を確保しました。さらに今後の2年間で、合計50万人まで引き上げる計画です。

新制度のポイントはいくつかありますが、なかでも大きいのは「地域型保育」の新設です(下の囲み)。これは、待機児童数の多い0〜2歳の乳幼児を預かる少人数の施設で、各市町村の認可を受けて設置が可能になりました。これにより、自宅やマンションの一室、会社の事業所内などに認可施設を設けられるようになり、都市部を中心に普及が見込まれています(新制度のスタート時点で、すでに2740の施設が認められています)。

子どもが3歳になると、地域型保育は利用できなくなりますが、それ以降の保育を担う「連携施設」(保育所・幼稚園・認定こども園)が設定されており、スムーズに入所・入園できるよう配慮されています。

「小1の壁」を打ち破るために

小学校入学までは子育てを無事に乗り切っても、そのあとのサポートが手薄では、仕事と家庭の両立に支障をきたす可能性もでてきます。これが「小1の壁」と呼ばれるもので、長時間預けることができた保育所から短時間の放課後児童クラブ(学童保育)などに移ることで、ママの働き方を見直さざるを得なくなったり、最悪の場合、会社を辞めなくてはならなくなるかもしれません。

そこで新制度では、多くの子育てママが利用する学童保育の充実も図っていきます。現在、全国で約93万人の子どもが利用する学童保育を、2019年度末までに30万人分上積みするほか、開所日や利用時間の延長も検討中です。またママや子どもの使い勝手を考えて、新たに設ける施設の8割は、小学校の空き教室などの活用が予定されています。

なお、こうした子育て支援に必要な費用は、「社会保障と税の一体改革」で示された通り、消費増税による税収の一部で賄われます。当初は、毎年約7千億円を充てる方針でしたが、現在政府ではこれを1兆円規模にすべく、財源の確保に努めています。

子ども・子育て新支援制度
新たに導入された「認定基準」を見てみよう

市町村の認定が必要になります

来年度の申し込みは10月ごろから始まりますが、この受付のしくみも大きく変わりました。制度の運営は、各自治体が地域の子育て事情を踏まえながら行うため、今後は申し込みの際にお住まいの市町村で、「保育認定」を受けることになります。これは保育を希望する人が、どの施設をどれくらいの時間、利用できるかを判断する基準となるものです。

認定の流れを右の囲みに示しましたが、基本的には、子どもの年齢と保育の必要性によって3つの区分に分けられ、その結果に応じて利用できる施設が決まります。これに、親御さんの勤務形態が考慮され、ママがフルタイム勤務であれば最長11時間、パートなら最長8時間まで子どもを預けられるしくみです。

また今回の改正を機に、保育施設を利用する際の条件も緩やかになりました。従来、保育所に子どもを預ける場合は、両親が共働きだったり、親族の介護中など、子どもの面倒を見るのが難しいケースに限られていました。これが現在では、求職活動中や職業訓練学校への通学中でも、「保育を必要とする理由」として認められるようになっています。将来の本格的な復職を考えているママにとっては、うれしい変更ですね。

新制度に移行していない幼稚園もあります

では、気になる入所(園)の手続きや保育料はどうでしょう。

まず入所手続きから見ていくと、保育所や地域型保育の場合は、市町村に利用の申請を行って、保育認定を受けます。その後、希望先の施設へ申し込み、入所の可否が決まる流れです(ただし希望者数によっては、市町村が事前に入所順位の調整を行うこともあります)。一方の幼稚園は順番が異なり、最初に希望先の施設へ直接申し込み、入園の内定を得ます。その後、施設経由で市町村の認定を受け、正式に幼稚園と契約する段取りです。

保育料は、新制度の導入によって、両親の所得に応じて決まるしくみに統一されました(これまで定額制だった幼稚園の保育料が見直されました)。今後は、世帯ごとの住民税の所得割額をもとに、保育所や地域保育は8〜十数段階、幼稚園なら5段階程度で各市町村が設定した金額を支払うことになります。

基本的には、従来の保育料の水準と大きく変わらないよう、保育施設への給付金で調整されますが、前年度の年収や延長保育の利用実績などによっては、負担が増える可能性もあります。この点は、注意しておきましょう。

なお現在は、新制度に移行していない私立幼稚園も多く、この場合は、従来の入園手続きや保育料体系となります。入園を希望する先は新旧どちらの制度が適用されるのか、こちらも事前に確認しておくことが大切です。

もっと知りたい 子育ての公的サポート

妊娠・出産〜小学生までの主な公的サポート

自営業者も産前産後の保険料が免除に

話は前後しますが、ここでは出産前後の公的サポートについて確認しておきましょう。

出産前後は、出産費用やベビー用品の購入代など何かと物入りですが、その分、公的な子育て支援策も充実しています。なかでも、健康保険の「出産手当金」と「出産育児一時金」、雇用保険の「育児休業給付金」は頼れる味方です。出産育児一時金で出産費用の大半はカバーできますし、残る2つの制度を利用すれば、産前産後や育休中の収入減を、一定割合まで補うことができます(詳しくは、「家計見直し大作戦」「トピック」をご参照ください)。

でも、それだけではありません。会社勤めの間は、原則、年金や健康保険などの社会保険料を納める義務がありますが、出産前後を中心にそれが免除されるしくみも用意されています。社会保険料は基本的に労使折半とはいえ、お給料の約15%を占める結構な負担ですから、家計もだいぶ助かります。

具体的には、産前6週間と産後8週間(出産手当金の支給期間と一緒です)、それと育児・介護休業法で定める育休を取得した期間中は、社会保険料を納めなくてもよくなります。また免除された期間は、休業前のお給料をもとに計算した保険料を支払ったと見なされるので、将来の年金受給額が減る心配もありません。

さらに、自営業者が加入する国民年金の第1号被保険者に朗報です。先の「ニッポン一億総活躍プラン」で取りまとめられた緊急対策では、「産前産後期間中の国民年金保険料の免除」が検討事項に盛り込まれました。詳細はこれからですが、実現すれば約20万人のママが恩恵を受けられるようになる見込みです。これ以外にも、みなさんご存じの児童手当や子どもの看護休暇、子育て中の時短勤務など、子育てママを応援してくれる制度はたくさんあります。左の図はその一例ですが、ぜひ参考にしてみてください。

この他、市町村独自の子育てサポートにも注目です。多いのは出産時のお祝い金で、1人目の誕生で20万円(熊本県産山村、北海道松前町など)、第4子の誕生で100万円(岡山県高梁市、宮崎県椎葉村など)―など。この他、高校卒業までの子どもの医療費が無料の自治体(鹿児島県曽於市など)や、2歳までの子どもを持つ家庭に毎年2万円分の商品購入チケットを支給するところ(東京都杉並区)もあります。

(記事提供:ニッキンマネー2016年3月号 ママもニッコリ 広がる!子育て支援)

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