勉強やスポーツに励むお孫さんを応援
相続税と贈与税の大改正から、1年が経ちました。相続税の課税が強化された一方、子どもや孫への贈与に様ざまな優遇税制が設けられた影響で、生前贈与にかつてない注目が集まっています。
こうした一連の税制改正のなかでも、多くのシニアに活用されているのが、「教育資金の一括贈与特例」。2013年4月のスタートから2年半で、利用者が14万1千件(*1)を突破するほどの人気ぶりです。まずはそのメリットを、しっかり押さえておきましょう。
教育資金贈与特例は、ご自身(祖父母)が子どもやお孫さんに教育費を贈与しても、お孫さんたち1人につき1500万円まで贈与税がかからない制度です。もともと教育資金は、必要の都度、お金をあげる限り贈与税はかかりません。でもこの特例を利用すれば、教育費の発生するタイミングに関わらず、まとまったお金を前もって譲りわたすことができます。
しかも通常の贈与ですと、被相続人が亡くなる前の3年間に行った贈与は相続税の課税対象になりますが、その適用からも外れます。つまり、いったんお金をあげてしまえば、(不謹慎ですが…)いつご自身が亡くなっても、相続税対策として有効に機能するわけです。
こうした税制上の恩恵に加えて、お金の使い道を学費や部活動、習い事など、教育関連の支払いに限定できる点も、多くの人から支持されています。単にお金をあげただけでは、無駄遣いが心配という人も多いでしょうが、教育資金贈与特例なら、勉強やスポーツに打ち込むお孫さんを長い間、応援することができます。
- *1 信託協会「教育資金贈与信託の受託状況」(2015年9月末)。信託銀行だけの集計のため、実際の利用者はもっと多い