おひとりさまの老後準備

プロフィール

女屋 哲也(おなや てつや)

1級FP技能士、CFP®、宅地建物取引主任者、証券外務員

独立系FP事務所所長、高崎経済大学非常勤講師、群馬県金融広報アドバイザー。富士山から屋久島まで日々、山行に励むほか、自称ツーキニストとして地球温暖化防止にも貢献

相談者  一美さん(30代後半)
仕事が忙しくて、今はとても結婚なんて考えられません。でも、もしこのままだったら、退職後、どうなっちゃうんだろう…
女屋さん
まずは将来の年金額と老後に必要なお金を確認したらどうですか?目標がわかるだけでも、結構、安心できますよ!

女性は長生きです

男女とも20代、30代の未婚率が上昇しており、一生、結婚しないというおひとりさま≠ニ呼ばれる女性が増えています。

たしかに1人のほうが楽な部分はあるかもしれませんが、問題は、リタイア後の生活、老後のライフプランへの不安だと思います。とくに女性は、一般に男性よりも長生きするので、その分、老後資金の準備を手厚く見積もっておく必要があります。

年金額と老後資金を確認

ではどうするか? 対策のポイントは2つです。

まずは、「自分がもらえる年金額を把握する」ことです。受給できる年金額は人それぞれで異なりますが、日本年金機構のホームページにある「ねんきんネット」を使えば簡単に試算ができます。自分の年金受給予定額を、しっかり確認してみてください。

もうひとつは、「老後のライフプランを組み立てる」ことです。人によってライフスタイルは違いますが、最低限必要なお金としては、衣食住に関わるものがあります。食費・光熱費・社会保険料・住居費などです。

総務省の「家計調査報告(2014年)」によると、60歳以上の単身世帯の消費支出は月15万円程度という数字が出ています。65歳を起点に考えると、85歳までで20年、90歳までで25年という期間になります。これをもとに考えると、支出の合計金額は、20年間で3600万円、25年間では4500万円になります。

こう聞くと、「そんな大金をどう工面したらいいの?」と思われるかもしれません。

ここで、年金受給予定額との差額をみてみましょう。

厚生年金の受給額は、現役時代の給与と加入期間で決まるため、女性は男性より少ない傾向があります。厚生労働省によると女性の厚生年金の平均月額は11万円程度という数字が出ています。

この数字をもとに考えてみると、先ほどの消費支出との差額は4万円です。つまり、20年間では960万円、25年間では1200万円ということになります。

もちろん実際には、交際費・趣味や旅費など、老後を楽しむために必要なプラスアルファの資金も加味されるので、もう少しこの差は広がるでしょう。

一美さんも、漠然と1人で過ごす老後に怯えるよりも、年金額と老後に必要な資金をしっかり確認すれば、備えるべき差額がはっきりし、安心の老後生活へ準備することができるはずです。

年金をキーワードに

誰でも、将来に向けて、あるいは何かの時のためにと、貯蓄をしていると思います。年金というキーワードをもとに老後のライフプランを組み立てることで、この資産形成の目標額が見えてきます。

貯蓄を進める上では、次の3点が重要です。まず、「時間を味方につける」こと。大きな金額に育てるには、ある程度の期間が必要です。次に「自動化を図る」こと。口座振替を利用するなど、貯蓄を習慣化することが大事です。3つ目は「効率を考える」ことです。税金や手数料などのコストを減らすほど、資産形成のスピードは上昇していきます。

資産形成の方法には、たとえば金融機関の自動積立や積み立て投資信託、あるいは確定拠出型年金など、様ざまな手段があります。一美さんも、自分に適した資産形成の方法を見つけて、充実した老後への一歩を踏み出してもらいたいと思います。

(記事提供:ニッキンマネー2016年1月号 FP工房 女屋事務所 年金なんでも相談室)

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