相続での保険活用法(応用編)

プロフィール

圦本 弘美(ゆりもと ひろみ)

ゆりもとFP事務所代表。CFP®、1級FP技能士、二種証券外務員

大阪府出身。神戸大学理学部地球惑星科学科卒業。出産を機にマネープランの必要性を痛感し、FPとなる。一男一女の子育てをしながら、開業以来1,000件以上のFP相談を受ける。資産運用・家計管理・住宅購入・保険見直し・相続など幅広いマネー相談に精通し、働くママとして奮闘する経験を生かした、親身なアドバイスが好評。

今月号では先月号に続き、さらに心配事をカバーできる、保険活用ワザをご紹介します。

どちらが先に亡くなっても

厚生労働省が2015年7月に発表した簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男性が80.50歳、女性が86.83歳です。

夫が3歳年上だと仮定すると、夫が亡くなったあと、妻が1人で生きていく平均期間は9年強、という計算になります。ただ、夫婦のうち、どちらが先に亡くなるかは予想できませんよね。

「のこされた方の生活に十分なお金を確保しておきたい」「配偶者が亡くなったら老人ホームに入りたい」などという場合、夫婦それぞれで死亡保険に入る以外にも、良い方法があります。

最初に亡くなった人、2番目に亡くなった人、それぞれの死亡保険金の割合を自由に設定することができる「連生終身保険」に加入する方法です。

たとえば、「どちらかが先に亡くなった時は、老人ホーム入居金などで800万円を受け取りたいが、のこった方が亡くなるときは、死亡整理金程度の200万円でいいわ」というケースの場合、第1死亡で800万円、第2死亡で200万円の保険金の受取額を設定することができるわけです。

夫婦それぞれで800万円ずつの死亡保険に加入するより、どちらか1人になった時の準備資金を大幅に節約できます。ただし、離婚すると保険金受け取りの権利がややこしくなりますので、ご夫婦で仲良く最後まで過ごすことが、上手に活用する前提といえます。

相続の前に介護が心配…

要介護になってしまった場合、年間約60万円の費用負担がかかるというデータがあります。また、生命保険文化センターの調査によれば、平均介護期間は4年11ヵ月となっています。

「保険金をのこしてあげたいけれど、介護に費用がかかったら…」と心配な方に向いているのが、「介護保障付終身保険」です。死亡時または所定の要介護状態でまとまった保険金が受け取れるので、介護の要・不要に関係なく、備えることができます。

ただし保険を選ぶ際、どれくらいの要介護レベルで保険金が受け取れるのか、注意して確認する必要があります。たとえ保険料が手頃でも、公的介護保険でいう要介護4相当にならないと受け取れないケースもあります。基準は要介護2〜4レベル相当と商品によって様ざまですので、備えたい介護レベルと介護費用から商品をセレクトしていきましょう。

解約返戻金で財産圧縮

低解約返戻金型の終身保険を活用して、相続財産を圧縮する方法もあります。

一般的な生命保険の加入の仕方は「契約者=親、被保険者=親、死亡保険受取人=配偶者や子」となります。たとえばこれを「契約者=親、被保険者=子、死亡保険受取人=親」という形で加入し、その後、親本人が亡くなった時は、契約者の名義を被保険者の子どもに変更します。

この際、課税対象としてカウントされるのは、死亡保険金額ではなく相続時の解約返戻金相当額となるので、現金で譲り渡すよりも、資産を圧縮して次世代に移すことができます。

この方法は多額の金融資産があるご家庭には有効ですが、税金と保険両方に詳しい専門家に、相続税や所得税への影響を相談のうえ検討する必要があります。

(記事提供:ニッキンマネー2015年12月号 女性の立場で考えたい 相続の疑問イロイロ)

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