子育て世帯への助成・優遇制度

小さな子どもは、まだ免疫力が弱いためひんぱんに体調を崩します。そこで、各自治体には乳幼児と子どもの医療費助成制度があります。地域によっては、さらに充実した独自の優遇もあります。

プロフィール

加藤 梨里(かとう りり)

マネーステップオフィス株式会社代表、CFP®、金融知力インストラクター、慶應義塾大学SFC研究所上席所員

2014年に独立し、家計相談や雑誌・WEBでの執筆を中心に活動中。4月には、女性会員のための専用サイト「Woman Theory」を立ち上げ、働く女性のネットワークづくりにも力を注いでいる。大の料理好きで、料理番組(NHK)のコンテストで優勝したほどの腕前

子育て世帯への助成・優遇制度(一例) 乳幼児医療費助成制度(マル乳) 全国どこの自治体でも、3歳未満の子どもの医療費(自己負担)は無料。自治体によっては、小学校就学前まで利用できるところも 義務教育就学児医療費助成制度(マル子) 小学生以上の子どもでも、自治体によっては医療費の一部(または全額)が助成される 乳児健診 生後3ヵ月以降から、1歳6ヵ月くらいまでの間に合計4回、子どもの健康診査を無料で受けられる ※自治体によって名称が異なります ※自治体独自の優遇制度もよく確認しておこう! ※親の所得制限がある自治体もあります

〝マル乳〟と〝マル子〟って?

赤ちゃんや小さな子どもは、よく風邪をひいたり、感染症にかかったりします。早目に受診したいものですが、いつも医療費がかかっては家計の負担になります。

そこで、47都道府県すべての自治体では、3歳未満の子どもの医療費は入通院ともに自己負担がかからないしくみになっています。乳幼児医療費助成制度といって、お住まいの自治体から交付される「マル乳医療証」を、健康保険証とともに医療機関の窓口で提示すると、(*)自己負担なしで受診できます。「マル乳医療証」は、自治体によっては小学校就学前まで利用できるところもあります。

また医療費の助成は、小学生以上でも利用できる自治体もあります。義務教育就学児医療費助成制度といって、自治体から交付される「マル子医療証」を提示すると、医療費の一部、または全部が助成されるものです。ただし助成される範囲は、①入院のみ・入通院のいずれか②対象年齢の上限(9歳年度末〜18歳年度末まで)③自己負担の金額―について、自治体によって異なります。

なかでも東京都は充実していて、多くの市区町村が入通院ともに中学生まで、千代田区では高校生まで、医療費の自己負担がゼロになります。なお、今年の10月から、神奈川県などの各市では助成の対象年齢を引き上げました。それまでは通院の医療費が助成される対象は小学校就学前までとしていましたが、小学3年生、ないしは4年生まで拡大されました。

(*)窓口では医療費を支払い、後で自治体に申請して還付を受けることもある

予防接種・健診費も助成

子どもが生まれると、必ず受けなければならない予防接種がたくさんあります。通常、病気の治療ではなく予防のために医療機関にかかると、医療費は全額自己負担になります。ただし、予防接種法で定められた病気(麻しん、風しん、日本脳炎など)のワクチンは「定期接種」といって、決まった月齢で接種することが強く勧められています。定期接種のワクチンは全国どこの地域でも無料です。

その一方、インフルエンザ、おたふくかぜなどは「任意接種」といって、ワクチンの接種は任意です。このため費用は全額が自己負担になりますが、自治体によっては全額または一部を助成するところがあります。

また子どもが小さなうちは、順調に発育しているか、健康に問題がないか不安な時もあるでしょう。そこでぜひ受診したいのが「乳児健診」です。自治体によって異なりますが、生後3〜4ヵ月、6〜7ヵ月、1歳前後、1歳6ヵ月前後などにはお住まいの地域で無料健康診査を受けることができます。身体計測や医師の診察のほか、保健師による発育発達の確認、栄養士による栄養相談などもあります。

自治体独自の優遇制度も

子育て世帯への支援制度では、国から支給される「児童手当」がありますが、それとは別に独自の支援を行う自治体もあります。

たとえば東京都新宿区では中学生までの子どもがいる家庭が新宿区に住む時に、先着30世帯限定で転居費用や家賃を補助しています。杉並区では子どもの誕生時に4万円分、その後2歳までの子どもがいる家庭を対象に毎年2万円分のチケットを支給しています。チケットは、一時保育の利用料や予防接種費用、家事サポートなど、区が指定したサービスに使えます。

なお、自治体の助成やサービスには、地域での居住年数や所得制限などの要件があるものもあります。ご自身のケースで利用できるかどうかを確認してみてください。

(記事提供:ニッキンマネー2015年12月号 すくすく、ワクワク 子育てとお金)

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