相続での保険活用法(基本編)

プロフィール

圦本 弘美(ゆりもと ひろみ)

ゆりもとFP事務所代表。CFP®、1級FP技能士、二種証券外務員

大阪府出身。神戸大学理学部地球惑星科学科卒業。出産を機にマネープランの必要性を痛感し、FPとなる。一男一女の子育てをしながら、開業以来1,000件以上のFP相談を受ける。資産運用・家計管理・住宅購入・保険見直し・相続など幅広いマネー相談に精通し、働くママとして奮闘する経験を生かした、親身なアドバイスが好評。

今月号では、相続対策として生命保険が活用できる、基本的なケースを紹介します。相続対策として生命保険に加入することには、主に3つのメリットがあります。

相続税評価額を圧縮できる

亡くなった人、つまり被相続人の財産のうち、死亡保険金や死亡退職金などをみなし相続財産≠ニいいます。これらは、被相続人が生前から持っていた財産ではなく、死亡を契機に財産にカウントできるようになるお金であるため、厳密には相続財産とはなりませんが、税金を計算する上では相続財産とみなされます。

ただ、みなし相続財産には相続税の非課税枠があり、「500万円×法定相続人の数」だけ、財産から差し引いて相続税を計算することができます。この制度を活用するために生命保険に加入するのが、保険を使った相続対策のうち、一番メジャーな方法です。

たとえば、配偶者と子ども2人が相続人の場合で考えてみます。預貯金1500万円をそのままにしておくと、相続財産として課税対象になりますが、1500万円を生命保険にすると、「500万円×3人=1500万円」を、課税対象の相続財産から減らすことができるわけです。

近年では、詳細告知が不要で、「払った保険料=死亡保険金」という商品も複数の保険会社から発売されています。高齢になってから相続対策で生命保険に入りたい、でも持病を抱えていて普通の生命保険には入れない、という方でも、この非課税枠を利用できる可能性が高いのです。

ここでのポイントは、相続税が課税されるくらいの財産がある場合は、生命保険に加入することで、相続税評価額を減らす効果があるという点です。元々相続税がかからない場合は、節税のために生命保険に入る必要はありません。また、できれば解約返戻金が確保できるものにしておくと、生活費や介護費用がかさんだ際に、生命保険を解約して自分のために使うこともできるので便利です。

納税資金が確保できる

生命保険に加入することで、遺族が納税資金を確保できます。

たとえば、相続財産が不動産のみで相続税がかかる場合、遺族は自己資金で納税するか、不動産を売却して納税しなくてはいけなくなります。このようなケースの場合、被相続人が終身保険に入っておけば、相続人に納税資金をのこしてあげることができます。

不動産を売却せずに相続人に持ち続けてほしい場合に、保険金で納税資金を準備しておくと、遺族が相続貧乏にならずに済みます。

のこしたい人を確定できる

生命保険は、契約時に決めた受取人に保険金が支払われます。相続人が話し合って遺産分割をする場合、被相続人の希望とは異なる財産分けが起きることもありますが、死亡保険金は、必ず故人が指定した人に渡すことができます。相続人が相続放棄をした場合でも、死亡保険金は受け取れます。

当初は、2人の子どもを受取人に指定し、保険金が平等に行き渡るように契約したものの、その後、大病をして苦労している長男にすべての保険金を渡したいと希望すれば、受取人と割合を変更することもできます。保険金受取人は何人でも指定することができ、受取割合も自由に設定できます。

途中で変更も可能ですので、被相続人の希望が反映された財産分けをすることができます。

(記事提供:ニッキンマネー2015年11月号 女性の立場で考えたい 相続の疑問イロイロ)

保険のご相談は「さいたま新都心パーソナルプラザ」へ

「保険商品のご案内」はこちら

このページの先頭へ