まず、出産した時にまとまったお金を受け取れるのが「出産育児一時金」で、子ども1人につき原則42万円が支給されます(双子の出産なら、倍額の84万円)。また、妊娠22週未満で早産した場合や、残念ながら死産・流産であった場合でも、妊娠85日以上であれば、満額支給されます。
ところでこの出産育児一時金は、受給の際に「直接支払制度」を利用することができます。これは、給付金のやり取りが医療機関と健康保険組合との間で完結するしくみで、妊婦さん自身がまとまったお金を用意しなくても済むのがメリットです(図表)。実際にかかった出産費用が支給額を超えていれば、医療機関へ差額を支払う必要がありますが、少なく済んだ場合は、請求により差額分を受け取ることができます。また、もしも医療機関によってこの制度が利用できなくとも、「受取代理制度」の利用、あるいは出産費資金貸付制度で無利子でお金を借りる方法もあります。
出産育児一時金は、自営業者などが加入する国民健康保険と、お勤めの方の健康保険共通の制度ですが、後者では「家族出産育児一時金」も用意されており、被扶養者である家族が出産した時も受給することができます。