お金以外で準備したいこと

幸せで心豊かなセカンドライフをおくるためには、お金だけでは不十分です。健康、生きがい、そして地域とのつながり―。お金以外に考えておきたい老後準備を見ていきましょう。

プロフィール

鈴木 暁子(すずき あきこ)

FPオフィスNext Yourself代表。CFP®、住宅ローンアドバイザー

外資系SEを経てFPに。セミナーや講演の講師をはじめ、雑誌・WEBの執筆、相談業務など精力的に活動中。最近は、50代以降のシニア層のマネープラン、終のすみか、終活サポートまで活動の場を広げている。近著に「100歳まで安心して暮らす生活設計」(実業之日本社)など

健康、生きがい、そしてお金

第1位「健康維持・体力づくり」(82・8%)、第2位「長く続けられる趣味・娯楽を始める」(52・7%)、第3位「日々の節約、貯蓄」(51・4%)―。これは、現役世代が老後生活を迎えるにあたって準備しておきたいと考える上位3項目です(*)。

確かに、老後資金がいくら潤沢にあっても、ご自身や配偶者が健康不安を抱えていたり、毎日の暮らしにハリがなければ、セカンドライフを満喫することはできませんよね。でも、健康が重要な理由はそれだけではありません。生命保険文化センターの調査によると、要介護3の人が介護のために支払う金額(自己負担額)は、初期費用で約2万円、ランニングコストで毎月約3万8千円もかかると言われています。

健康寿命を延ばそう!地域とのつながりも大切

みなさんは「健康寿命」という言葉をご存じですか? これは、2000年にWHO(世界保健機関)が打ち出した指標で、介護や病気で寝たきりになったりせず、健康的に日常生活をおくることができる期間のことです。

2010年の発表では、男性が平均寿命より約9年、女性は約12年短いそうですが、言い換えればその期間は介護費用が発生するかもしれないということ。それを短くすることは、老後を楽しむ時間を増やすだけでなく、医療・介護費用の軽減にも大きく貢献します。セカンドライフにおいて「健康」は、実はお金に直結しているのです。

その意味で、早いうちから健康づくりに気を配ることは、とても大切です。健康維持に有効なのは、適度な運動。民間のスポーツジムは費用が高いとお考えなら、地域の保健センターなどで開かれている健康教室を利用しましょう。1回数百円程度で利用でき、筋力アップやヨガなどバラエティー豊かな施設もあるようです。それに足腰を丈夫にすると外出もしやすくなりますし、外の空気に触れることで緊張感や適度な刺激も得られ、心身の健康維持には良い循環となります。

また、多くの映画館や美術館では、60歳以上の入場者の割引サービスを行っています(50歳以上から割引してくれるところも)。現役時代にゆったりと楽しむ時間がなかった芸術・文化にも触れ、感性を磨くことで気持ちを若く保ちましょう。健康で、楽しむことにお金を使い、かつ余計な医療・介護費用を軽減。まさに一石二鳥です。

セカンドライフは、地域とのつながりも大切です。とくに男性は、退職後に地域デビュー≠キる方も少なくないでしょう。日頃から地域との接点を持つことで、万一の場合や、独居になった時には助けてもらうこともできます。最初の一歩が踏み出せない方も多いと聞きますが、現役時代から少しずつ慣らしていくことも考えてみてください。

さらに、これまで手の付けられなかった家事に、積極的に関わる習慣も身に付けておきたいもの。時には家事を交代することで苦労もわかるでしょうし、実は家事はけっこう体を使うものが多く、良い運動にもなります。

また、現役時代と違い、夫婦が一緒に過ごす時間が多くなりますので、お互いに相手を尊重することも重要です。ご夫婦仲良しであっても、家庭以外にそれぞれの居場所を持ち、個人の時間を確保されることをお勧めします。他人への気配りやコミュニケーションの維持も、セカンドライフの重要な要素です。

お金は、充実した老後をおくるための道具です。この道具を活かすための健康や生きがいを見つけることも、退職を見据えた頃から少しずつ準備していきましょう。

(*)内閣府:高齢期に向けた「備え」に関する意識調査(2013年度)。35〜60歳の男女6,000人に、高齢期の準備方法(12項目)の中から、自分に当てはまる項目(重複回答可)を選んでもらったもの

(記事提供:ニッキンマネー2015年3月号)

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