今がチャンス?!
ひと口に住宅ローンの見直しといっても、いくつかの方法があります。いま借りている住宅ローンの返済条件を見直すことがその1つですし、まとまったお金をローン元本の返済に充てる繰り上げ返済も、手軽にローン残高を圧縮できるポピュラーな方法です。これらはいずれも、既存の住宅ローンを活用した節約術ですが、さらに一歩踏み込んで、住宅ローンそのものを、条件の良いものに借り直してしまう方法もあります。それが「借り換え」です。
借り換えとは、借入中の住宅ローンを完済し、別の金融機関で新たに住宅ローンを組むことを言います(同じ金融機関での借り換えは、原則できません)。要は、今よりも低金利のローンに乗り換えることで、利息負担を減らし毎月の返済額を抑えるわけです。
借り換えには数十万円ほどのコストがかかりますが、借り換えのタイミングや借入条件によっては数百万円単位で総返済額を圧縮できることもあります。また現在、変動金利型で借りている人であれば、低金利の今のうちに固定金利型に乗り換えることで、毎月の返済額を確定させ、より安定した家計を築くことも可能です。
日本銀行の大規模金融緩和政策により、超≠ェつくほどの低金利ですし、多くの金融機関では借り換えローンの金利優遇キャンペーンを展開中です。変動金利型はもちろん、固定金利期間選択型でも、1%を切る商品がたくさん登場しています。断言はできませんが、今後の金利見通しを考えると、今が借り換えの絶好のチャンスと言えるかもしれません。
家計のスリム化を図る上で、ぜひ考えてみたい借り換えですが、その手続きは色いろと大変です。上の図表でもわかる通り、金融機関選びから審査、借入中のローン完済、借り換えローンの正式契約まで、基本的にはすべて自分で手続きを行う必要があります。住宅購入時とは違い、ハウスメーカーなどのサポートがないため、書類の手配だけでもひと苦労です。
この点が借り換えのネックで、そのために利用を躊躇する人も少なくないようです。でも、住宅ローンとは20年、30年かけて付き合う息の長い商品だけに、金利の動向やライフステージに応じて、プランの見直しは定期的に行っておきたいもの。まずは、借り換えの効果をよく知りましょう。家計のスリム化やゆとりにつながるとわかれば、きっと前向きに取り組めるはずです。
*住宅金融支援機構の「フラット35」は、同商品への借り換えが可能