戻る 連載コラム【お金の世界の歩き方】~第31回 家計簿アプリ~
花子
「今日もよろしくお願いします。先日、お給料日に銀行のATMに行って生活費を下ろした時に思い出したのですが、お金の下ろし方でお金の貯まりやすい人と貯まりにくい人がいるのですよね」
先生
「よろしくお願いします。そういう話をしましたね。一度にまとめて下ろす人と都度下ろす人の違いでしたね」
花子
「はい。まとめて下ろして、例えば封筒などに『食費』『娯楽費』と分けて目的別に管理する人の方が貯まりやすいのですよね。そこで、私も無駄遣いしないようしっかり管理していこうと思って、まとめて下ろしてきました」
先生
「なるほど。良いことだと思います」
花子
「でも前回のキャッシュレスの話の時にも感じたのですが、クレジットカード等を使用していると家計の管理がなかなか難しいなと感じています。
そこで、以前挫折した経験もあるのですが、また家計簿をつけることにしました!」
先生
「それは良い考えですね。僕の友達でも小学校の頃からお小遣い帳を付けていて、今でも続いている人がいます」
花子
「えっ、小学生の頃からですか?それは凄い。そんなに長く続くのはその人の性格によるところが大きいのではありませんか?」
先生
「いえ、一概にそうとは言い切れません。彼は、ただ毎日寝る前に財布の中身を出して『今日はいくら使った』というのを簡単にメモしていたのが続いている、と言っていました。しかも、10円、20円計算が合わなくても気にしないで付けているそうです」
花子
「確かに、多少の誤差があっても気にしないで記録していくだけなら続けられそうですね」
先生
「あとは項目も細かく設定しない方が良いですよ。例えば、友人と食事をした費用を『交際費』か『外食費』なのかとかレシートを眺めながらジッと考えているよりも、大雑把でいいので『食費』にしてしまうのが良いと思います」
花子
「ギクッ。私の性格をよくご存じで…。レシートを手に持って、決められないところがあります・・・。でも、大きな項目で分ければいいということですね」
先生
「そういうことです。また、最近は家計簿アプリを使うのも一つの方法ですよ」
花子
「家計簿アプリですか?」
先生
「はい。これがまた良くできているのです。僕も使っていますよ」
花子
「えっ、そうなんですか?家計簿アプリって、どんなことができるのですか?」
先生
「家計簿アプリでは、主に、支出・収入・資産をデータで管理することができます。機能はアプリによってさまざまですが、クレジットカードや銀行口座、電子マネーなどをアプリと連携することで、金額だけでなく項目まで自動で分類されるものもあります」
花子
「そうすると、現金以外は何にいくら使ったかまでわかるんですね!」
先生
「そうなんです。現金の場合は、レシートをカメラで撮影して、品名、金額、項目などを自動で読み取り記録することができます。例えば食料品を購入した場合、品名や金額の記録に加え、自動で『食費』という項目に分類してくれます。また、店名や購入日も読み取ることができます」
花子
「レシートを自動で読み取る機能があるとレシートを見ながら一つ一つ入力する必要がなくて便利ですね」
先生
「そうですね。また、これらの履歴がたまってくると分析機能も利用できます。分析機能は、円グラフで自分がどのくらいお金を使っているのか確認することができ、項目毎に色別で表示され、支出全体の中でどのくらいの割合かがわかります。そして、その項目の内訳を確認することもできます。例えば、『食費』の中でも食料品、カフェ、ランチなどがあり、何にいくら使っているのかがわかり、『食費』を節約したいと思った時に、具体的にどこを減らしたら良いかを考えることができます」
花子
「それは便利ですね!何に多く使っているかが一目瞭然ですね」
先生
「他にも、自分で予算を決め、各項目の予算に対して今どのくらい使っているのかを棒グラフで確認できる機能があります。以前のコラム『上手にお金を貯める』でお話しした、お金を封筒などに目的別に仕訳する、袋分け家計簿をアプリに取り込んだのがこのサービスです。予算の残高も表示されており、あとどのくらい使えるのかがわかるので管理しやすいですよ」
花子
「グラフで表示されるとお金の利用状況がとても分かりやすいですね。予算を決めてどのくらい使ったかもわかるので、使いすぎも防げますね!今まで家計簿が長続きしなかったけど家計簿アプリなら続けられそうです」
先生
「そうですね。自分のお金が増えているのか、減っているのかが見えると家計管理がしやすくなります。家計管理をすることで、無理なく節約や貯蓄ができますよ。
ちなみに武蔵野銀行では、『武蔵野銀行アプリ』の中にある『かんたん家計簿』という項目から、家計簿アプリを利用できますよ」
花子
「そうなんですね!是非、試してみたいと思います」
『武蔵野 花子』プロフィール
埼玉県内に住む33歳の女性。
パートタイムで働いており、家族は会社員の夫・長女(小学校1年生)・長男(幼稚園)がいる。最近よくママ友と子供の教育費や、家の購入について話すことが多く、これからのお金の使い方について、どうすればいいのかわからず悩んでいる。
『川口先生』プロフィール
証券会社や銀行を経て、現在は金融ジャーナリストとして活躍している。武蔵野家の近所に住んでいて、悩める花子に対しお金についていろんな角度から話をしてくれる。
趣味はスポーツで、ゴルフが得意だそう。また、社会人になってから始めた空手も黒帯である。
執筆:川口一晃