戻る 連載コラム【お金の世界の歩き方】~第28回 リスクの数値化~

先生

「前回はリスクとは何かについてわかりやすく解説をしました。花子さんは、理解していただけましたか?」

花子

「はい、わかりやすい例を使って解説していただいたおかげで理解できました。リスクとは『結果のわからない、不確実の度合い』のことを言うのですよね」

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コラムリスクとはなに

先生

「その通りです。覚えていてくれて嬉しいです。さて、不確実な状態を表す『リスク』ですが、実は管理することができます。なぜ、リスクが管理出来るのかと言いますと、一つにはリスクを数字で表すことができるからです。因みに、投資におけるリスクは確率統計学的には『標準偏差』と呼ばれています」

花子

「ちょっと待ってください。リスクを数字で表すのですか?急に難しくなったような気がします」

先生

「安心してください。今回もわかりやすく説明したいと思います」

花子

「お願いします」

先生

「まず、ここにAという投資信託があるとします。Aファンドと呼びましょう。このAファンドですが、1年目は5%の収益、2年目は10%、3年目は-5%そして4年目は2%の収益を挙げたとしましょう。4年間の平均の収益率はどれくらいでしょうか?」

花子

「いきなり計算問題ですか。ちょっと待ってください。5%、10%、-5%そして2%だから、合計して4で割ると・・・3%になります」

先生

「正解です。このAファンドは平均3%の収益率となっています。では、花子さんがこのAファンドを購入しようとしたら、年間どれくらいの収益率を期待しますか?」

花子

「そりゃ、一番良かった10%を期待したいですが、少なくとも平均の3%は期待したいと思います」

先生

「もう僕が求めていた回答ピッタリです!そうなのです。少なくとも過去の平均であった3%は期待したいですよね。これを期待収益率と言います。まっ、難しい言葉は覚えなくてもいいですよ」

花子

「は、はい。とにかく、期待したい収益率ですね」

先生

「でも、3%というのはあくまでも平均で、実際には5%とか-5%といった具合に平均から離れた数字になりますよね」

花子

「そうですね。平均の数値と実際の数値が違うことはわかります」

先生

「この平均収益率3%からのぶれ幅を、確率統計学では『標準偏差』と呼びます。例えば、平均収益率が3%、標準偏差が5.4%のファンドだとすると、一年後の収益は、3%から±5.4%、つまり-2.4%から8.4%の範囲内に68%の確率で収まると考えられているのです。
つまり、『標準偏差』は「不確実の度合いを示すもの」ですので「リスク」を数字で表したものといえるのです」

花子

「確率統計学・・・。難しくてよく分かりませんがリスクが数値化できるなんて凄いですね!」

先生

「難しいですよね!標準偏差の出し方など難しいことは割愛しますので、『標準偏差』という言葉だけ覚えておいてください。例えば、投資信託の場合、標準偏差(リスク)はパンフレットや銀行のホームページに記載されていますので、投資対象を比較するときには参考にするといいですよ。
ただし、標準偏差は、過去のデータを使って算出したもので、必ず標準偏差の範囲に収まる訳ではないことには注意してください。あくまでも参考です」

花子

「参考にしてみます!ちょっと、難しかったですが、リスクという言葉で表されたモノが、数字になるというのは面白く、新鮮でした。今日もありがとうございました」

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標準偏差がリスクなんです。収益のぶれ幅が標準偏差なんですね。

『武蔵野 花子』プロフィール
埼玉県内に住む33歳の女性。
パートタイムで働いており、家族は会社員の夫・長女(小学校1年生)・長男(幼稚園)がいる。最近よくママ友と子供の教育費や、家の購入について話すことが多く、これからのお金の使い方について、どうすればいいのかわからず悩んでいる。

『川口先生』プロフィール
証券会社や銀行を経て、現在は金融ジャーナリストとして活躍している。武蔵野家の近所に住んでいて、悩める花子に対しお金についていろんな角度から話をしてくれる。
趣味はスポーツで、ゴルフが得意だそう。また、社会人になってから始めた空手も黒帯である。

執筆:川口一晃

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