戻る 連載コラム【お金の世界の歩き方】~第12回 積立 ~初心者入門~~
先生
「今日はお金が貯まる方法を1つ紹介したいと思います」
花子
「お金が貯まる方法ですか?それはちゃんと聞いておかないといけませんね!」
先生
「いつもちゃんと聞いてくださいよ(笑)。さて、勉強もスポーツも一瞬にして出来るようになったり、上手くなったりすることはありませんよね。地道に努力することが大切です。『継続は力なり』と言いますが、お金の世界でも継続が大事です」
花子
「お金の世界で『継続は力なり』ですか。うーん、地道、継続、コツコツ・・・あっ、もしかして『積立』のことですか?」
先生
「その通りです。勘が良いですね。『積立』というのはお金を貯めるのに大変有効な方法なのです。もちろん預金で積み立てる方法もありますが、他にも価格が変動する投資商品で積み立てる方法もあるんですよ」
花子
「積立といえば、預金で毎月一定金額をコツコツ貯めていくイメージしかないのですが・・・価格変動する投資商品でも積立ができるんですね」
花子
「株や投資信託で積立って、なんだか想像もつかないです」
花子
「投資信託はわかりませんが、株だと買うのにも結構高いですよね?我が家では毎月そんな高額を積立には充てられないのですが・・・」
先生
「安心してください。少ない金額でも積立できるんですよ。例えば、株式の積立という仕組みがあります。これは『るいとう』という愛称で呼ばれていて、自分が選んだ上場会社の株式を毎月10,000円以上1,000円単位で一定額を購入していきます」
花子
「少額からの投資が可能なんですね。でも初心者にはどの銘柄が良いのか決められないですね・・・」
先生
「そんな方には、武蔵野銀行の投信積立サービスがおすすめです。投資信託は株式や債券などさまざまな金融商品を組み合わせて運用が行われているものもあるので、バランスよく運用したい方におすすめです。毎月5,000円から気軽に積立を始められますよ」
花子
「それは良いですね。それなら私にもできるかも!」
先生
「はい。もうひとつ積立の方法について説明しましょう。方法としては主に2つあります。まず1つ目は、毎月同じ金額を購入していく方法です。毎月10,000円で投資信託の積立を行うとしましょう」
花子
「はい、毎月10,000円ですね。まさに貯金の王道という感じです」
先生
「たとえば、1月の基準価額が10,000円とします。10,000円だと1口購入することができます。次に2月の基準価額が12,500円としましょう。すると1万円だと0.8口買うことになります。そして3月の基準価額が8,000円とします。つまり1.25口買うことになります。3か月間30,000円で3.05口買うことになります。ここまでは良いですか?」
花子
「なるほど、価格が変動する商品を毎月決めた金額分買うというのは、毎月購入する数量が変わるけれど、ちゃんと10,000円分ずつ買っていくということなのですね。はい、ここまでは分かりました」
先生
「この場合、平均購入単価は30,000÷3.05≒9,837円になりますね。
次に2つ目は、毎月同じ数量の投資信託を購入していく方法です。毎月1口ずつ購入するとしましょう。1月は1口で10,000円、2月は12,500円、3月は8,000円となります。3か月で3口購入し合計30,500円。平均購入単価は30,500÷3≒10,167円となります」
花子
「あれ、さっきより高くなっていますよね。同じ投資信託を買っているのに、1口で300円以上の差があります」
先生
「そうなんです。私がここでお勧めしたい方法は1つ目の毎月同じ金額を購入する方法です。なぜなら、価格が高い時には少し購入、安い時にはたくさん購入することで平均購入単価が低く抑えられるからです」
花子
「そうですよね、先ほどの例でも30,000円で3.05口買うのと、30,500円で3口買うのとでは、1つ目の方がお得ですね!主婦はお得に弱いので」
先生
「この、決められた金額分を定期的に購入していく方法を『ドルコスト平均法』と言います」
先生
「ドルコスト平均法の凄いところは、価格が上下することで威力を発揮するところです」
花子
「だから、積立は積立でも価格変動する投資商品の積立の話をしてくれたのですね」
先生
「そういうことです。そして、更にこの積立でお得な話があるのです」
先生
「実は、投資信託の積立をしながら、税制の優遇の受けられる制度があるのです」
花子
「税制の優遇を受けられる・・・お得度が高そうですね。どういうものでしょうか」
先生
「つみたてNISAという制度です。運用の対象は投資信託になります。金額は年間40万円まで積立することが出来ます。つまり、月々の上限は約33,000円までです」
花子
「上限が33,000円ということは、10,000円や5,000円でも良いということですよね」
先生
「はい、そうです。そして、積立のできる期間はなんと最長20年です」
花子
「20年という期間はピンと来ませんが、投資期間が長い方がお得なのですか?」
先生
「投資信託の価格も上昇したり下落したりしますので、なるべく長い期間で運用した方がドルコスト平均法の効果が出るのです」
花子
「なるほど、そういうことなのですね」
先生
「そして、通常であれば購入した投資信託が値上がりして得た売却益や株式の配当金にあたる分配金などには約20%の税金がかかるのですが、それが非課税となります」
花子
「えっ、約20%の税金が非課税に!それはお得ですね」
先生
「はい、大きいと思いますよ。例えば投資信託を運用して5,000円の利益が出た場合本来約1,000円の税金がかかり、手元に残るのは約4,000円となります。金額に直して考えてみると結構大きいですよね。ドルコスト平均法を利用出来て、しかも税金の優遇が受けられるというつみたてNISAは魅力的な制度だと思います」
花子
「今日のお話はとってもためになり、投資商品の積立に興味が湧きました!ありがとうございました」
『武蔵野 花子』プロフィール
埼玉県内に住む33歳の女性。
パートタイムで働いており、家族は会社員の夫・長女(小学校1年生)・長男(幼稚園)がいる。最近よくママ友と子供の教育費や、家の購入について話すことが多く、これからのお金の使い方について、どうすればいいのかわからず悩んでいる。
『川口先生』プロフィール
証券会社や銀行を経て、現在は金融ジャーナリストとして活躍している。武蔵野家の近所に住んでいて、悩める花子に対しお金についていろんな角度から話をしてくれる。
趣味はスポーツで、ゴルフが得意だそう。また、社会人になってから始めた空手も黒帯である。
執筆:川口一晃
※本コラムを執筆されている川口一晃氏がナビゲーターを務める、当行提供ラジオ番組「お金の世界の歩き方」毎週月~木曜日7:04からNACK5にて絶賛放送中!当行行員も出演していますので、ぜひお聴きください!聴き逃してしまってもラジオが聴けるアプリ「radiko.jp」にて1週間までさかのぼって聴くことができます!